書架の魔女の現代入り 〜urban legend Witch

□幕間@
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BGM ラストオカルティズム 〜現し世の秘術師


「あっ、はい。それでその騒動の中でマリサっちやレイムっちとは所謂弾幕ごっこをしあった仲といいますか……」

「へぇあの紅白巫女ともねぇ……ん、それってつまり貴女は異変の黒幕って事?」

「いやーそれは……なんと言いますか……」

「そのオカルトの作り話……『都市伝説』って外の世界じゃ言うみたいなんだけどな。実は他の異変みたいにそこまで大きい影響及ぼしてるわけじゃないんだよ。所詮は噂。だから放って置いても消えるものは消える。そもそもその都市伝説の実体化に菫子は関与してないし。やったことと言えばオカルトボールっていうか珍妙な玉を幻想郷にばらまいて、『それを七個集めると願いが叶う』って噂を流しただけ。本来の目的は違ったんだよな、菫子」

「うっ……ええ、そうよ。集めさせる事が重要。外の世界由来のオカルトボールをこちらの世界で奪い合わせて、そして……この世界と外の世界を分ける結界を破壊しようと企てていました」

「まあ、華扇に早々に見抜かれて、霊夢にやられてなにも起こらず終わったってわけだ」

「……ちょっと待ってくれる?魔理沙、貴女はなんでそんなヤバイ奴をここにつれてきてるのかしら?」

「まー待て待て。しっぺ返しで一時期幻想郷から元の世界に戻れなかった時に十分痛い目見てるからいま何かするとかはないぜ」

「本当かしら?」

「ここに暮らしてる妖怪やら神様やらと話してると自分がやったことがなんて愚かなのか知りましたので……だから命だけは……マリサっちがなんでもしますので……」

「そーそー私が何でも……しないぞ!?」

「そう、なら最近あんまり体を動かしてないからフランとも一緒に弾幕ごっこをしてもらいましょうか?」

「いや、だから!しないって言ってーーー危なっ!?ちょっとレミリア?いま確実に当てる気だったよな?宣言無しでスペカを使う奴があるか!」

「まぁまぁ、たまには良いんじゃないの?」

「そうよ、これはほら……あれよ峰打ち、峰打ちって奴」

「そんなたまにがあってたまるか!というか峰もなに被弾したらお仕舞いじゃ……。危なっ!ああそうかい、弾幕ごっこな!わかったよ、やってやろうじゃないか!その代わり私が勝ったらまた本を借りさせてもらうぜ!」

「いや、別に貴女は勝手に盗んでいくじゃない。全然イーブンじゃないわよ……」

「それじゃあ貴女が負けたら盗んだ本を全部返して貰おうかしら」

「おっけー、なら久しぶりに本気出させてもらうかな?」

「契約成立。そしたら、パチェ?フランを呼んできてもらえる?」

トントン拍子で話を進めていく二人。
突然の展開に客人は目を丸くしている。

「仕方ないわねぇ。……菫子さんはどうする?」

「あ、多分そろそろ時間が来るから大丈夫ですよ」

「時間?」

「その、私って外の世界とこっちを行き来してるんですけど、向こうで寝てる間だけこっちに来れるんですよ」

唐突に告げられた彼女の幻想郷入りのカラクリ。
奇しくもそれは、いまの自分と同じ仕組みだった。

「よーしそれじゃフランが来るまでのウォーミングアップとして先に始めようじゃないか」

「あら、私は前座ってことなのかしら?舐められたものね……さぁ、こんなに月も紅いから?」

「穏やかな夜になりそうね」
「激しい夜になりそうだな」

館の外に出た二人が何時かのように弾幕ごっこを始める声がうっすらと聞こえた。

「菫子さん、貴女はーーー」



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