書架の魔女の現代入り 〜urban legend Witch

□三話『焦燥』
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BGM 人形のある風景 (非想天則)

「ごちそうさまでした」

腹の音を聞かれて意気消沈していた菫子だったが食べていくうちに調子が戻ってきたようだ。

「はい、お粗末様でした」

「やっぱり人が多くなると少し美味しく感じるわね。流石に咲夜には及ばないけど」

「咲夜っていうと確か……」

「あのキレーなメイドさんですよね?」

「そうよ。……私が戻っていない間に会ってたのね」

「まあ、そんなところです。この料理もよりも美味しいんですか?」

「多分、私の舌に合うっていうのもあるだろうけど……あっ、別に貴方の料理が口に会わないって訳じゃないからね」

「いや、別に何も言ってないんだが」

「私も好きですよ、先輩の料理味付け」

「お、おう。ありがとう」

「あれ、先輩顔赤いですよ?」

「意外……貴方でも照れることがあるのね」

「そりゃ面と向かって褒められれば普通照れるって」

「そんな……普段からいけしゃあしゃあと恥ずかしい台詞を口にしてる姿を見てるから、照れるという事と無縁なのかと思ってました」

「あのなぁ……」

一つ注意しようとしたところでパチュリーが欠伸を漏らしていた。

「どうした?眠いのか?」

「少しね、でも平気よ」

「安心して疲れと眠気が来たんじゃない?私もそろそろお暇するつもりだったから横になっちゃえば?」

「無理に起きてても疲れるだけだから、今は寝ちゃって。また起きたら色々考えよう」

「……そうね、二人の言う通りよね。それじゃお言葉に甘えさせてもらうわ。またね、菫子」

そういい、ゆっくりとリビングを後にした。

それを見届けると菫子はてきぱきと帰り支度を始めた

「さて。それじゃ帰りますね」

「ああ、わかった」

「心配せずとも向こうで無茶はしませんから……多分」

「とりあえず、そこまで送るよ」

「いいですよ、来るときに戻り方は大体頭に入れながら来ましたから」

「一つだけ、確認したいことがあるからそれだけでも話ながら送らせてくれないか?」

「……なるほど、わかりました。それじゃ行きましょ、先輩」


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