幻想郷入り小説
□プロローグ b
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「ほら、これが転移術式だ」
書き出した術式を少女に渡す。その後の彼女の行動は早いものだった。
「……うん。なるほど……。小悪魔、召喚術の式を急いで捜してきて」
「わかりました、パチュリー様」
そう返事をすると、小悪魔と呼ばれていた方が部屋の奥に消えていった。
「なぁ、あんた。ここは何処なんだ?」
「此処は大図書館。外の世界の本が勝手に流れ込んでくる図書館よ」
「ふーん、そりゃ便利なこった」
「そうでもないわよ。蔵書は多いけど、人手は少ないから整理がつかない時があるもの」
「パチュリーさまー、見つけましたよー!」
「ありがとう、小悪魔。それじゃあ、二人とも待っていてくれる?」
「はい、いいですよ」
「別に構わないが……」
ただ待っているだけじゃな……、此処の本を読ませて貰えないのか。
「あ、あのー」
「ん?何か?」
「よければ、少し本を持って来ますか?」
「えっ!?いいのか?」
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