幻想郷入り小説
□プロローグ a
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川に沿って整備された桜並木の道を翠と歩く。
……手はまだ繋げてないけど。
春は鮮やかに咲いた桜に見取れていたけど、夏になると葉が繁り適当な日陰を作ってくれている。
「それで、トモは何買うの?」
「どうするかな……」
別にゲーム等に困ってる訳でもないし、本も足りている。後は……
「何も無いな。明日は翠に付き合うよ」
「何かあればいいのにー……そうすれば一緒に選んで……ん?」
「どうした?」
「よしっ!次はトモのコスの衣装を買おう!」
「ちょっ、急に何を言い出すんだ!?」
そんな会話をしていると視界に一つの人影が入った。その人物は夏にも関わらず黒いコートを着て、黒い帽子を深くかぶっていた。
「ねぇ、トモ。あの人暑くないのかな?」
「知らん。あんまり関わらないほうがいいな。行くぞ」
そう翠を急かし、黒コートの横を通り過ぎようとした時だった。
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