幻想郷入り小説
□第一話 a
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宣言と同時に大玉が三方向に放たれた。これは3Wayショット……と言っていいのか?ゲームとかでお馴染みのあれ。
「伴也さんっ!」
橙の叫び声を耳にしながら安全地帯に退避。3Wayのみなら余裕だな。しかし、動と静っても動く弾しか……。
「後ろ!後ろです、伴也さん!」
「全く、橙ったら」
「んなっ!?」
橙の声に振り向くと、先程の避けた大玉の軌跡に魔法陳が二つ発生していた。
さらにそこから小さい玉が螺旋状に放射されている。そして、そのうちのいくつかはもう眼前に迫っていた。
(し、死ぬ!?くそっ!!こんな……こんな所でくたばるわけにはいかねぇんだよ!アイツを、翠を助けるまでは!!)
何が起きた?橙とやってて当たる……被弾すると炸裂音とかするのに、紫さんのは鳴らないのか?
「へっ?」
「あらあら」
何が起きたかわからないような橙の声と、やっと成功したかという感じの紫さんの声が聞こえ、目の前の光景に自分自身驚いてしまった。
「なんだ、これ?」
閉じていた瞼を開くと、そこには紫さんのスペルの弾が俺を避けるように動いている。
「目覚めるだけかと思ったら、ついでにスペルまで作るなんて……やれば出来るじゃない、伴也」
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