幻想郷入り小説
□第二話 b
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「それにしても広いな……」
かれこれ四十分程歩いている。それはパチュリーの速さに合わせているからかもしれないが。
「咲夜が空間を弄って外観よりも広くしているからね。でも、そろそろ着くわよ」
パチュリーの言うとおり、そこからは多分十分かからなかったと思う。
「レミィ?私だけど、ユウキを連れて来たわ」
「ありがと、パチェ。思ったより早かったわね」
「案内しながら来たからね。咲夜も先に行っちゃうし……」
「私はもう少し彼を休ませるかと思ったけど……まあいいわ。それより新入り君。貴方、料理とか出来る?」
「出来ないな」
「それじゃあ紅茶は淹れられる?」
「それなら一応。出来ないこともない」
「……レミィ、何のつもり?」
二つの質問を聞いていたパチュリーがレミリアに問い掛けた。
「心配しないでいいわよ、パチェ。貴女の使い魔を奪うつもりはないから。図書館の人手不足は私も知っているし」
「じゃあ、今の質問は何なの?」
「……本当の事を言うとね、咲夜を手伝ってくれる人が欲しいのよ。メイド妖精たちも頑張っているけど、結局咲夜の仕事量は変わらないし……。だから買い出しとか料理の仕込みの手伝いが出来るかを頼みたいんだけど……ダメ?」
「それなら……構わないけど……」
「本当に?ありがと、パチェ!」
……なんか、見た目通りお子様というか……
「あの、咲夜さん。主さんはいつもあのちょう……大丈夫ですか?」
咲夜さんはとてもいい笑顔で、鼻から血を流していた。
「あらいけない……忠誠心が……」
忠誠心って?鼻から出るの?
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