幻想郷入り小説
□第二話 a
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「初めまして。私は伊吹萃香。見ての通り鬼だよ、鬼。よろしくな、伴也」
「お、おお」
軽く挨拶を済ませると、萃香は博麗さんに向き直り、腕をブンブンと回しやる気をあらわにしている。
「よーし、はやくやろーよーれいむー」
「軽くでいいわよ、スペルも無し。いい?」
「おっけー。それじゃ先手必勝!」
萃香がそう叫ぶと、前方に大量の光弾が展開された。間はまばらで、見極めないと避け切るのは難しいだろう。
「よっ……とっ……。危ないわねぇ、軽くって言ったじゃない……。伴也ー見ておきなさいよー?これが弾幕の出し方よ!」
博麗さんの方からは紅白を中心とした弾が展開される。確かに力を入れているみたいだけど……全く理解できない。
そして、そのまま俺は二人のきらびやかな弾幕ごっこを眺めていた。
*
「で、どうだった?」
弾幕ごっこが終わり、博麗さんはまた俺に聞いてきた。
「うん、綺麗だったよ」
返事をするや否や、博麗さんはあのお祓い棒で殴ってきた。
「……そうじゃないでしょ?何か掴めなかったの?」
「〜〜〜っ痛ぇ!!お祓い棒で叩くなよ……」
「お祓い棒じゃなくて、幣(ぬさ)よ大幣。で、どうだった?」
「全くわからなかったっす。はくれーさん」
再び大幣で頭をはたかれた。
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