幻想郷入り小説

□第三話 a
2ページ/9ページ

御賽銭箱の前に物置から運び出したものを置き、その横に座り込む。
すると、萃香が背中越しに声をかけてきた。

「おー伴也。こんなとこで何してるの?サボり?」

「ちゃんと休憩もらってるよ。つか、そういう萃香こそサボりか?」

「やだなー。そんなわけないじゃん」

「だよな。じゃあ買い出しか何かか?」

「今まで寝てたから何していいかわからないんだよ」

「もっとタチが悪いわ!!」

「今日は宴会でしょ、それに備えて……ね?」

備えるって……何の為だよ。

「おーい、すいかー。霊夢はいないのかー」

今度は俺の頭上から声が聞こえた。
………頭上?

「霊夢なら、蔵の方にいると思うよー」

声のした方を見上げると、箒に跨がった少女がいた。もう見ただけで魔法使いと感じるぐらいの。

「サンキュー……って隣のそいつはどちらさんだ?」

「ん、俺か?」

「そうだ、お前以外に誰がいる?」

「それもそうだな。俺は前野伴也。所謂外来人ってやつだ」

「お前も外来人なのか?ふむ、レミリアのとこにもいたけど……なんか雰囲気が違うな。って当たり前か。
私は霧雨魔理沙だ。よろしくな伴也」

「ああ、よろしく。霧雨」

「魔理沙でいいぜ。そんな堅苦しいのは無しな」

「オッケー。改めてよろしくな、魔理沙」

「おう、よろしく!」

「あっ、魔理沙来てたの?」

「ちょっと前にな。それと、これ。宴会の肴にでも使ってくれ」

そう言って魔理沙は帽子から籠に入ったキノコを取り出した。
……キノコ?

「ありがとね。あとはお酒を出して……あっー萃香、ちょっと買い出しに行ってもらえる?」

「いいぞー。で、何を買ってくればいいんだ?お酒?」

「そうね、お酒ぐらいかしら。あと、伴也も連れてってあげて」

「おー任せろ!じゃあ行くよ、伴也」

「ちょっ……いきなり引っ張るな!」

.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ