幻想郷入り小説

□第三話 a
3ページ/9ページ


「ほい、とーちゃーく」

神社の階段を萃香に引っ張られ、かなりの勢いで降りてきた俺は既にグロッキーだった。

「だらし無いなー、伴也は。さ、早くお酒買いに行くよ?」

二、三度深呼吸をしてから萃香の後ろを歩きだす。

「なんか、懐かしい感じがするな」

「まさか伴也は昔こっちに来たことがあるのかい?」

「そうじゃない。ただなんとなく懐かしい気がしてな」

周りの景色は日本の田舎……本当にいい時代の、昔ながらの風景の様な気がするんだ。

「外はこんな感じじゃないんだ?」

「そうだな空気は汚れてるし、水も濁ってる。それに都市化だとか言って平気で緑を自ら切り捨ててるよ……けどな、本当に綺麗な所は残ってんだ。そこだけは何者にも汚されてない、清く澄んだ空間でな」

地元じゃそこまで綺麗な所はないけど、少し遠くに……田舎とまではいかないけど、山間の町とか河原は綺麗だよな。

「それよりさ、早く買うもの買っちゃおうぜ」

「そだね」







とりあえず必要なお酒は買えたらしいが……萃香が人里を案内してくれるらしい。

「いいのか?時間かかるだろ?」

「いいっていいって。霊夢だって案内してたって言えば許してくれるよ」

そういうものなのか?

まあ、そのまま神社に戻るのもなんなので、萃香に着いて行くことにした。

「それじゃ、適当にぶらつこうか」

「だな」



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ