幻想郷入り小説

□第四話 b
2ページ/7ページ

あのスペルに使った元の魔力を考えると、約一分半ぐらいの間リナージは土と氷の半球の中で殖えゆく弾と戦っているんだろう。


実にいい気味だ。

そんなことを考えていると、半球が大きな音を上げて崩れ、その中からズタボロになったリナージが出てきた。

「お疲れ様ー。どうよ、ちっぽけな魔術の力は?」

「コロス!」

刃がかけている短剣と、もはや剣と呼んでいいのかわからない、刃が折れて短剣以上に短くなった剣を構えて叫んでいた。

「全く……それじゃあ、お望み通り本気を見せてやるよ。ソロモンの指輪を媒介に……白の式を展開、固定!我は望む、故に我在り!魔力を喰らい、顕現せよ!ソロモン七十二柱の一柱、マルコシアス!」

固定していた陣が形を変え、マルコシアスの召喚紋章となる。そして俺の前に天使のように翼を生やし、二振りの剣を携えた男性が顕れた。

「ソロモンの指輪を媒介に、白の式を展開、固定!我、血の契約を結び、平和の翼を呼び起こす!我が血を糧に顕れろ、ソロモン七十二柱の一柱、シャックス!!」

白の式と、足元に書き上げた血の召喚紋章が合わさり、シャックスの召喚紋章が現れる。
だが顕れたのは小さな光の玉だけ。

「やっぱり二柱喚起は厳しいか……だが、まあ」

召喚紋章の上で浮遊している光の玉を掴む。すると、それは形を変え、紫炎を放つ大鎌になった。

「たまには自分から攻め込みますか?」


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ