だいすき!

□まっさら
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「雲ー雀っ!よっ!」



「…いらっしゃい」



応接室の扉を開くと、相変わらず笑顔は無いけれど
俺を迎え入れてくれる、俺の恋人



こうして、放課後に顔を出すのが日課になっていた



「今日も仕事か?」



「当たり前。風紀委員長は君みたいに暇じゃないから」



「ふーん…」



こうして付き合ってみて、改めて雲雀は意外と真面目で
きちんと仕事をこなす人間だって事が分かった

が…

正直、寂しかったりする

身も心も。



「なぁ、雲雀?」



「何?」



「あんさーお前って…エッチした事ある?」



途端に、顔を勢い良く上げて
俺を凝視する雲雀の頬は真っ赤だった



「…何言ってるの」



「いやさ、恋人なんだし…気になんじゃん?」



大きな溜め息をついて
仕事に戻る雲雀

無視ですか?



「なぁーどうなの?」



「どっちでも良いでしょ」



「へぇー…そう言うって事はもう経験済みって事か…」



「違っ!」



「違う?じゃー何だよ?」



雲雀は未だ顔をほんのり赤く染めながら、



「…まだだけど、文句ある?」



鋭い瞳でそう答えた



「そっか…まだなんだな」



安心して、身体の力がスッと抜けた気がした

それと同時に、コイツの初めてを貰いたい
そう思った


「雲雀…俺の事好きか?」



「どうしてそんな事、聞くの?」



カリカリとペンを走らせる雲雀の手
仕事に向けられる真剣な眼差し

全部が綺麗で、
コイツの全部、俺のモノにしたくなる



「良いから、答えて……?」



「っ!?」



雲雀の元へ足を進め、彼の顎をクイっと持ち上げた



「俺のモノになってくんね…?」



「どういう意―…っ!!」



俺はその赤く薄い綺麗な唇を奪った
キスすんのも、初めてで
凄くドキドキする



「っ…は…ぁ…」



歯列をなぞり、俺の舌を雲雀のに絡ませれば忽ち甘い声と厭らしい水音が
この静かな応接室に響いた



「…雲雀」



「…ハァ、ハァ……」



息が上がり肩で呼吸をするコイツの姿に思わず欲情してしまう



「俺は、雲雀が本当に好きで…正直こんな気持ちになったのお前が初めて」



「………」



「欲情したのだって、お前が初めてなんだぜ?」



すると、唾液で光る彼の唇が動いた



「僕だって…山本の事が大好き。こんなになったのは、君が初めて」



「うん」



「だから…きちんと最後まで責任、とって……」



微笑する彼の表情を見て、全身がゾクリと震えた

俺は雲雀をお姫様抱っこでソファまで運び、そのまま押し倒した



「あぁ…俺以外の事、考えられないようにしてやるよ」



「ワォ…それは楽しみだね」



その余裕そうな笑み、今すぐ壊してやるよ

お前の全てを俺のモノに…

まだまっさらなお前の身体を、俺のモノに…






そして、俺は彼の真っ白な首に紅い印をつけた







...E N D...
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