Mad
+*+*+*+*
徒然なるままに
綴る狂ったお目汚し。
◆無花果
漏れる嘘を覆う指先が
涙で濡れています
愛などとは口にしないまま
ただ舌を這わせていく
背筋に添えた掌の温度に
嗚呼、
夢を魅せて
嗚呼、
その手で
逝かせて
2013/08/23(Fri) 13:56
◆十月十日
積み上げた言葉の危うさが
投げ捨てた嘘の優しさが
僕の色を奪って明日を塗り潰していく
そうやってひとり
昨日を投げ出しながら歩く僕に
すこし、愛をください
ひとつ、夢を
ください
2013/01/17(Thu) 17:56
◆下向きの微笑
生きている意味を忘れて生きているような気がしない?
言葉の裏を見ないで笑っているような気はしない?
誰かが、逃げるなよと迫るたびに
背を向けることで自分を守っているんじゃない?
えへへ、
僕も、そうでした
2012/12/27(Thu) 15:12
◆越境
少しだけ、生きにくかったあの頃
腕に残った涙の痕ばかり数えていた
逃げ出す術を知らなかった僕は
ただ溢れた事実に泣いていた
そうして諦めることを覚えた僕は
そっと、笑うの
もういいよって
2012/12/27(Thu) 14:31
◆願い
消えた波紋を探すような
言葉の神経衰弱をしている
電話口で泣いてみた午前2時
答えは合わないまま
身を委ねた灼熱に笑ってみせようか
小指の先に
夢を見ていたい
2012/12/10(Mon) 21:25
◆齢
秒針を運ぶ刻が鼓動を切り裂いて
優しく僕を嬲る
ああ どうぞそのまま――
こうやって逃げる術を知ったのは
もう随分昔の話だったよ
2012/10/26(Fri) 13:18
◆おかあさん、大好きです
この小さな窓から見えるのは嘘
あの青もあの緑も
あの笑顔も
だってそうでしょう?
今も、後ろでは
誰かが泣いているもの
2012/10/26(Fri) 13:13
◆燈籠流し
あの日履き溜りに捨てた言葉は
今はどこかで幸せと出逢えただろうか?
慰めにもならない歌で逃げてみても
何も変わらないと知っているのに
それでも、あの言葉の行方を
そっと案じてみたりするのです
2012/10/26(Fri) 13:08
◆アイ
閉じた瞼に剃刀が突き刺さる
痛みに喘ぐ私を抱きしめて
脳内をまさぐって永遠などないと教えて
垂れ落ちる雫に名前をつけるように
2012/10/26(Fri) 13:06
◆跳躍
白紙を跳ねる嘘を捕まえて
少し傷をつける
落ちた鮮血の意味を考えてみたけれど
やっぱりわからなかったよ
2012/10/21(Sun) 17:42
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