*
□言われて気付く
1ページ/1ページ
この、
溢れる愛情 と 独占欲
この感情は今までになんどか抱いた、身に覚えのあるもので。
わかってる。
この感情は醜い事を。
もやもやと渦巻くこの黒いものはけして抱いてはいけないのに。
きっかけは、ガールさんで、ちょうどオレがイービルの所に来た時の事。
「ひっどいんですよ!?お師匠様ったら!」
「おーおー、またお前何かしたんだろ・・・?」
「してませんよ!ただ私はフリフリのかっわいい服を・・・」
「いや、十分だろ・・・」
ちくっと、何かが痛みだして一気に気持ちがもやもやになる。
さっきまで幸せな甘さをもたらしていたぷりんもなんにも味がしなくなった。
気持ちがどろどろしたものになっていくのがわかる。
「それでー、こうやってー」
「あー・・・だからって抱きつくな・・・!」
ぶつんと頭の奥で何がが切れる音がして、世界は一気に灰色に似たセピアになった時、自分とは信じがたい低い声が出た。
「帰る」
「ロード・・・?」
「帰るって言ってるんだ!!」
気持ちがどろどろする。
正体はわかってる。
独占欲。
オレ以外に触らせないで。
オレ以外は触らないで。
イービルはオレのなんだ。
誰にも、誰にも渡したりなんかしない。
もしオレの邪魔をするなら体内の血を吸いつくしてやる。
「ロード・・・」
「なに・・・」
「お前だけだから」
「・・・・・・・」
「お前は俺のもので俺はお前のもの。誰でもないお前だけだから」「・・・ほんとに?」
「本当にだよ」
「・・・オレはもうイービルがいないと駄目なんだ。それぐらい、依存、してて、だから、・・・自分で思う以外にイービルのこと愛してるのかもしれない」
「・・・っ、ありがとう、な」
「うん」
後で聞かされた。
オレはガールさんを凄い顔で睨んでいたらしい。
威圧する魔眼みたいだったとか。
===============
言葉は時に身を滅ぼす。
でも、幸せやより深い思いを与えてくれると思いたい。