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□扉ノムコウ
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カントー地方のグレン島のポケモン屋敷、それが俺たちの家であり世界だった。
屋敷にはたくさんなかまがいて、皆で暮らしていた。
ドカースのいつからいるのかわからないばぁちゃんや同じガーディの姉ちゃんやら沢山屋敷にいた。
屋敷の壊れた扉の先に、なにがあるのか、屋敷の人に聞いたことがあった。
「あの扉を開けては駄目だよ。開けたら食われてしまう」
「扉を開けたら殺されて、体を食われてしまう」
皆揃って言った。
食われる殺されると、まるで怪物をみたかみたいに、人間にと言った。
でも一人だけ違うことを言う人がこういっていた。
「いつか来る。私達を仲間としてくれる人間。その人間は、他とは違う目をしているらしい」
それを見極めるのは、自分次第だと。
いつも寡黙な人であったために他の皆はその人を嘘つきと下げずんだ。
これは、それからの、話。
「なぁ、ねぇちゃん。また皆がねぇちゃんの事嘘つきって言ってるんだぜ?」
「しかたない。皆が怖がるのは本能と今までの人間の失態」
その歳上であるメスのポケモンはポケモン屋敷という狭い世界で乏しい知識しかない良郎にはそのポケモンがなんというポケモンはわからなかった。
自分自身もなんというポケモンか知らない。
それはポケモン屋敷では当たり前のこと。
「なぁ、ねぇちゃん・・・それなに?」
「これは本と言うもの。人間の文字で書かれた物語」
のぞきこんだそれにはびっしりと見たことのないものが書かれていて、彼女はそれを人間の文字だと言い、良郎に渡してみせた。
「わー・・・全然わかんないや!」
「大人になったら、わかる」
「おとな・・・」
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