*

□苦い飴
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「な、に・・・?」

だんだん、顔に熱が集まってきて、焦った。
このままじゃばれる・・・!

「ロード・・・俺は・・・」
「ロード!!いい加減にしないとプリン抜きにするよ!?」
「え、!?あ、や、でも・・・!」

イービルがなにが言おうとした時、タイミング悪くマスターがイービルの言葉を遮りオレを呼んだ。
既に繋がった手は離れていて、残ったぬくもりに名残惜しさを感じる。

「イービル・・・マスターが呼んでるから・・・もう」
「・・・あぁ」

踵を返して、マスターの方に向かおうとする。
でも、まだ離れたくないほうが勝って、顔がイービルの方を向いたままだ。

「ロード・・・!」
「な、なに・・・?」
「これ、やるよ」
「・・・飴・・・?」

小さく可愛らしい飴だった。
イービルには似合わないような。

「それが無くなるまで、俺のこと考えてろよ」
「・・・え?どういう意味・・・」
「じゃあな!」
「あ、・・・!」

イービルはオレとは真逆の方に走っていってしまって、この飴を渡したときの台詞の意味を聞けなかった。

“それが無くなるまで、俺のこと考えてろよ”

期待はさせないで欲しい。
頑張っているのに、この思いは友情が強いだけだと、友情以上恋愛感情未満だと。友達なんだと。
そんな、そんな意味深な事をされてしまったらどうしていいか分からない。






帰って、食べたあの飴の味は、ただ甘くて酸っぱくて、塩辛くて。


なんだか、苦かった。
















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ぐだぐだです・・・。
うー・・・難しいですね。
精進します。
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