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□沈まぬ月夜
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「い゛っ・・・!ああぁ!!」

甘くはない喘ぎ声が響く、暗い部屋。
クラッドは身を剥がれ、足は力なく開かれたままで混沌に好いように遊ばれている。
開きっぱなしの口からは痛さに鳴く声の中に、快楽を拾った鳴き声も交じりつつあった。

「は、あ・・・っ」
「へぇ、こんなになってもまだ抵抗するんだ?」
今現在俺の真上にいる男の太もも辺りに爪をたてて僅かな抵抗を示すものの、力が入らなくなった体では痛くも痒くもないようで、あっさりとその手ははたき落とされてしまう。
「あ、やっ・・・!、あ、あたりま、え、だ・・・!」
声を押さえつつの反抗の言葉は自分で笑ってしまいそうなほど無意味に思えた。
けど、ここで止めたら負けのような気がしてならなくて。
「・・・面白い」
混沌は止まっていた手を再度進めた。






「ふぅ・・・っ、あっ・・・」
もう力が入らなくなり、口も塞がらなくなった。
もう、どうでもよくなってきてしまった気がする。

抵抗して、声を出して、何をしても意味がない。

「そうだ。まだ君は綺麗なままだったよね・・・?」
「あっ・・・、・・・?」
綺麗・・・?
こんな状態の俺がこいつは綺麗だとでも言うのか、馬鹿か?こいつは。
少なくとももう俺自身は白や赤やらでぐちゃぐちゃで、冷静な心では見れない。
汚したのは混沌だ。
なのに綺麗と言いやがった

「内側も汚しちゃえ」

「う、ち・・・?・・・っ!!」

「今君は男だから身籠りはしないよ。安心さ。あぁでも体調崩すらしいね、僕には関係ないけどさ」
「や、やめろ・・・!いやだ、いや!!」
「君に拒否権なんてないよ」
「・・・っ!」

絶体絶命、絶望。
こんなに屈辱的なことはないだろう。
今まで、体を狙われてもどうにか倒していたし、そもそもそんな奴も周りにいなかった。
だから、麻痺していたのだろう。
適わない力に対しての恐怖。

喰われる。

「息、吐いたほうがいいよ・・・!」
「ぐ、あ、あぁあああぁ!!!」
















かたん、と僅かな音に警戒してぐちゃぐちゃのぼろぼろになった体を強ばらせた。
視線を向けると、さっきまで俺を弄んだ黒い魔術師ではなく白い魔術師がこちらを見ている。
「――・・・、クラッド」
「・・・」

ディオなら、俺は格好がつかない。
いくら元女とは言え、犯された恋人なんて見たくない筈だ。
なにより俺が見られたくない。

「私だよ。アーカナイトだ」

・・・彼は普段は見せない苦笑いで俺の体に毛布をかけてくれる。
珍しいとは思ったが、なんだか心が痛かった。
「ぁ――・・・、」
礼を言おうと開いた口からは擦れた言葉にならぬ声がでる。
それだけでなくて、無性に腰と体全てが痛い。
なんだか泣きたくなって、目を瞑った。

「ディオは止めてきた。だが、少し悟られているかも知れない。・・・遠くに見えた混沌を睨んでいたからな・・・」
「・・・そぅか・・・わるぃ・・・」
「・・・眠るか・・・?」
「あぁ・・・」

疲れた。

心身共に全てが疲れた。

なんで、こんなことになるんだろう・・・。

多すぎる効果のせいなのか、それともその効果を持ち合わせる俺が悪いのか、微睡む意識の中考えたが答えは出なかった。








見兼ねたマスターが、俺も装備出来るように効果を書き変えてくれるのは、暫し先のこと。










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無理やり終了です。
もう疲れたよ・・・
文才ないから無理だよ・・・
うらなんて無理だったんだあははは


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