06/13の日記

06:32
魅力的
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エル剣хマハード


「ねぇ、エルフ!筋肉をむきってしてくれませんか!?むきって!」
「・・・は?」








なにも起こらないで、平和な昼下がり。
いつものように俺は鍛練をしていた。
今日は涼しい心地好い風が頬を撫で、何故かいつも以上に鍛練がはかどっていた。

そうやって鍛練を続けていた俺に、マハードが訪ねてきたのだ。
勿論、心臓は歓喜に胸打った。が、どうしても魔術師という役柄の為か、文化系なマハードが草原に現れた理由が分からなかった。

一度気になってしまったら聞き出してしまいたいのが、人(?)の本能なのか、聞いてしまおうと口を開いた瞬間、言われたのが冒頭の台詞。
正直、本当にコイツは頭が良いのだろうかと、疑いたくなる台詞だ。
・・・まぁそんなところも可愛いのだが。
・・・少し、冷静になろうか。自分。

「どうしたんだ?いきなり来て。こんな所に来るなんて、珍しいな」

いきなり来てむきってやれって・・・。
だいたい、むきってなんだ。可愛いな。
・・・冷静になれ。自分。
今ソレは頭の端に行きなさい。

「えぇっと、力こぶを作って欲しいんです!むきって!」
「力こぶ・・・?べ、別に良いが・・・」

いつまで「むきっ」を押すんだ。
でもまぁ・・・いつまでもとやかく言うつもりも無いし、このまま引かなそうだから、言われるがままに腕に力を込め、こぶを作る。
すると、普段の戦闘では決して見れないかの様な、なんだか輝かしい笑顔のマハードが、俺の力こぶに視線を注いでいる。
なんだか、俺の力こぶに俺が負けてる気がしてならない。

「凄いです!!流石エルフ!」
「そ、そうか・・・?」

少しくらい、顔の方に視線をくれませんか。マハードさん。

「私も鍛えてはいるんですが、どうにも筋肉が付きにくい体質らしくて・・・」
「あー、言ってはアレだが、完全な着太りしてる感じだな。鎧とかで」
「うー・・・どうやったらこうなるんですか?」
「特には・・・」

鍛練してるだけだが、これと言って特別なことはしていない。
あ、寝る前の腕立て伏せ10000回?

「私には、特徴が無いから・・・。魔術が無かったら非力ですし」
「・・・そんなこと、ない。俺にとっては十分に魅力的だ」
「・・・えっ?」
「お前は、魅力的だ」

もう、このまま思いを告げてしまおうか。

「そう、ですかね・・・?私も、貴方の筋肉は魅力的だと思いますが」

・・・やめよう。








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残念なエル剣が好きです。

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