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□若き魔術師達
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リチヤ学園
高等部2年
Bクラス。
「ロゼ」
授業中、小声でティアンに声をかけたのは流星である。
その声にチラ、と横を見たティアンに、彼はシャープペンを軽く持ち上げてみせる。
ティアンはそれを見て、同じようにシャープペンを持ち・・・芯を引っ込め・・・軽く机に当てた状態で、手の力を抜いた。
その途端。
ティアンが握ったシャープペンは、持ち主の意思に関係無く、机の上を走り始める。
――――浮遊術だ。
『言い忘れていたが・・・。』
ティアンは、シャープペンの動きを読む。
前からも周りからも、只ノートをとっているように見えるだけなので、誰も気付かない。
万が一覗き込まれたとしても、文字を書いているわけではないから文を読まれる心配もない。
その文はシャープペンに合わせて手を動かしている(正確には、動かされているのだが・・・。)本人にしかわからないというわけだ。