descendants2
□迂濶
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「愛果ちゃん、古い家ですから・・・。
気を付けて降りて下さいね・・・。」
「は、はいいっ!」
そのころ、ロイと愛果は二階の隅に、ようやく一階へと続く階段を見付けていた。
古い屋敷のため、一歩踏み出す毎に階段がギシギシと音をたてる。
それが原因であの二人組に気付かれないかと、二人はヒヤヒヤしていた。
ソロソロと下の段に足をやり、ゆっくりと体重をかけ、しゃがみ込むようにして次の段に移る。
ゆっくり、ゆっくりと。
しかし。
ズルッ
「きゃっ・・・っ!」
長い年月使われ、人が通る度に擦られていた階段はよく滑る。
案の定、愛果が足を滑らせたのだ。
「愛果ちゃ・・・っ」
「愛果ッ!」
ロイが愛果の名を叫ぶよりも早く。
誰かが愛果に手を伸ばす。
2、3段滑り落ちたところで、愛果は止まった。
突然の出来事に、彼女は目を丸くして、ポカンとしている。