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□救い
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「な、・・・先回りされたか。」
「図られたわね。」
玄関ホール中央で立ち止まった七人。
目の前にいる男達は、顔色一つ変えない。
七人がここに来ることが、予め分かっていたからだ。
―――図られたのである。
「やっぱり・・・さっきの音、聞こえちゃってたんですね。」
ロイが戸惑ったように呟く。
先程の音――『ドサドサ』という音は、やはり男の耳に届いていたのだ。
届いていながら、男は部屋のドアを開けなかった。
――仲間を含め、全員を捕まえるために。
この大きな屋敷の入り口は、この、玄関のドア一つしか無い。
ならばここから逃げようとする者は、必ずこの玄関ホールを通る・・・。
男達の読みは当たっていた・・・。
ザァアアア・・・
しん、と静まり返った玄関ホールに、先程よりも大きくなった雨の音だけが響く。
明かりがついているので、男の手に握られた銃が視界に入ってくる。
男はニヤリと笑い、手にしたその銃を・・・あろうことか、リザに向けたのだった。