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□救い
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ピカッ
ドォオオォォオン!!
地を揺らさんばかりの、大きな雷鳴。
そしてその音と共に。
フッと、屋敷が闇に包まれた。
「なんだァ!?
停電かっ!?」
男が叫ぶ。
「こう暗くては・・・何も見えないぞ・・・。」
静かに呟く流星。
けれど次の瞬間。
彼は一つの可能性に行き当たったのだった。
(まさか・・・。)
その考えに答えるように。
戌が叫んだ。
「よっし!
今のうちに逃げるっスよ!」
・・・戌。
この闇の中で、迷うこと無く出口に辿り着くことが出来る人物。
それは、戌だ。
たとえ狼の姿になれなくとも、彼にはその目がある。
彼ならば、窓から差し込む、ほんの僅かな光を頼りに、進んでいける・・・。
「砂邏!
戌について行け!!」
「はぁ!?」
流星は隣にいる星邏と愛果の背を押す。
ロイが両隣のリザとフォンを、戌のもとへと導いた。
戌が先頭を行き、星邏、愛果、リザ、フォン、流星、ロイが後ろを追い掛けた。