2SEASON

□「R×E」プロット
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 食事会ようやく終了。

 デザートはアフォガード。
食べ方知らない蒐にこそっとお手本見せてくれる簓の真似しながらエスプレッソかけて食す。


「そういえば簓から聞いたけれど、最近引っ越したとか。
新居で何か困った事があったらいつでもおいで?」

 店頭に並べただけの使わない家具が倉庫に沢山あるから。
と会社の名刺(鼎はインテリアプランナー)を渡す。
 鼎は会社の偉い人だった!

 表向きだけ仲良く、蒐と鼎は握手して別れる。

 帰りは送りの車を手配し、部屋からエレベーターホールまで歩きながらの会話。
並んで話す鼎と蒐と一歩離れて円が歩く、簓は部屋に留守番。


「今日は逢えて良かった、次はディナーでもどうだろう?
まだ「生きて」いれば」

 最近はどこも物騒だから。
 意味深に微笑むも、からっと受け流される。

「いいですねー!心も身体も打たれ強さだけは自信あるんで、近いうちに、是非」

「ふふ、君は本当に面白い事を言う。どれほど頑丈なのか試してみたいね」
「挑戦ならいつでも受けて立ちますよ〜」

 向かい合って宣戦布告する二人。
 やがてエレベーターが来ると乗り込むが。ドアが閉まる直前、鼎が中に引き摺り込まれる。
円が慌てて駆け寄るも一歩遅い、ドアは閉まりランプが下階に向かう。
 苛々とドアを一度殴ると階段を駆け降りた。


 一方エレベーターの中では。
背中の傷が気になっていた蒐が鼎に両手で壁ドン。
蒐でも押さえつけられるほど鼎は軽い。

「今、此処で引ん剥いて確かめても良いけど。
聞けば答えてくれそうだから、それはしないでおく」
「…。」

「怪我は数日前閂さんに斬られて出来たものだよね、庇われたからその程度で済んだ?」

「素晴らしい推理じゃないか、探偵にでもなったらどうだ?」

 曖昧に返して冷えた視線を向ける。胸元を手で押さえているのも珍しく、蒐には露骨に嫌悪感を向けている。
この答で蒐は自分の推理が当たっていると確信して、僕られない様手前で下りる。

 エレベーターが一階に着くと階段を駆け下りて来た円が待機。

鼎が一瞥。溜息と蔑んだ顔で頬を撫でる。


「―…最近ちっとも守られている気がしないのは私の被害妄想かな?」

「…う…」
 言い返せない。
その通りだと自分でも知っているから。

「お前が劣っている理由がよく判った。それと、二度と簓をあの男に逢わせるな」
「…え?」

(珍しいな、鼎がそんな事を言い出すなんて)
(まるで、嫉妬しているみたいだ)

 誰にも執着しないと思っていたが簓だけは特別なんだと知って複雑な心境で頷く。
 その間に蒐はこっそり外に。

 迎えの車も使わず電車とバスでのろのろ帰宅。

+++

 エンゼルメーカー本部に出勤(?)

けれど命の処には一向に来ないので痺れをきらした他の大天使に言い付けられて杳が蒐を探す事に。
 自室、講堂、資料室、食堂、休憩室を探し歩くが見つからない。
最後に居る訳ないと思いつつ射撃場を覗くとピンク頭を発見。

 何やら無心で銃を発砲してる姿に恐る恐る近寄ると耳のプロテクターとゴーグルを外して微笑う。
 いつもの蒐だ、とほっとする杳。


 一瞬別人にも見えたのだ。

「なんか今の俺、凄く気持ち悪い」
「え?大丈夫ですか?どこか具合でも…?」
体調や怪我を心配するが首を振る。心の問題だと。

「誰かを討ち負かそうと考える知的活動が。嫌なんだけど、…そうも言ってられないんだなって」
「それは、悪を断罪するのが「我々」の仕事です、「我々」が世界の秩序を守らねば悪は蔓延るばかりです」

 マニュアル通りの模範解答に苦笑。
「そうだね、そうだった」

 そのまま部屋を出る蒐を追いかけようとして、杳は射撃的を手元に引き寄せる。
人の形をした紙、人的に弾丸は何処にも当たっていない。

「あ(凄い、全部急所外してる)」

 人の形をした黒い的の「ゼロ」の部分(袖、裾、組んだ腕の隙間)が何度も撃ちぬかれているのに驚く杳。
 これはわざとだ。この人は、上手すぎるから此処まで外す事が出来るのだ。

「蒐さん、どうして今まで下手なふり…!」
的と握り締め訴えるが「秘密」とでも言う様に指で口を留められる。
 人的を破り棄てるとダルそうに四大天使の待つ職務室へ。
 大天使に意の存在は知られてないから、蒐は独りでぷらぷらしてると思われている為デスクワークはほぼ蒐に押し付けられる。

 閂と馨の穴埋、書類整理と雑用が主な仕事。
馨が何を話したか捜査の探りを入れてくる。
閂の報告にあった、馨を殺人犯にした相手を殺したくてウズウズしてる天使達。
 蒐には出来ないから、は口実

「君が見つけて、僕達がそれを断罪する」

 不本意ながら協力して鼎を捕まえる事を約束。

 家に置いて来た意が一人で留守番なのを心配しながら夜中まで書類作りしてると車椅子の書庫係兼事務員に出会う。


 「砦」という人物登場。
(前に書いたREおまけ話に出て来た?)過去に殺人犯と対峙したときの怪我で下半身不随になりながらも、
組織に仕えている。地味な話し方と風貌で年齢不詳。
 初対面だったが砦は馨から聞いて蒐の事を知っており、他にする事もないからと雑用を引き受けてくれる。


「此処に居るべき人ではないだろう?君にはまだ脚があるんだから、行きたい処に行くと良い」
 言われて、鼎から貰った名刺を眺める。

「…そうだな、行ってみるか」

 今なら鼎と円はホテルから動けないし、職場に行けば何か情報が得られるかもしれない。
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