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□息抜き
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息抜き
「なぁキラ…人はどうして人を好きになるんだと思う?」
「え?何…突然」
いきなりの突拍子もない問い掛け…キラが驚くのも無理ないな。
「カガリとうまくいってないの…?」
「いや、そういうわけじゃ…」
「ならよかった。大切にしてよね」
当たり前だ!命に変えてもカガリを守って見せる!!!けど…
そんな事恥ずかしくて言えない…
「何赤くなってるの」
「え!?」
か、顔に出てた!!?
「どうせ、口に出して言えないようなやらしい事でも考えてたんでしょ」
「なっ…そんな訳ないだろ!!!!」
や、やらしい事って…!!全く考えないわけでもないが…少なくとも今のは健全だ!!
「でもアスランみたいな人に限って真顔で考えてたりするんだよ。何思い詰めてるのかなぁ…って顔でさ」
「あのなぁ…」
何を言ってるんだか…こういうところは昔から変わらない。何でキラは根拠のない事を堂々と言えるんだ?
「ねぇアスラン…僕さ…ずっと言いたかったんだけど…」
「ん?」
「ラクスのこと。僕…ラクスが君の婚約者だって知ってたのに…」
ああ、そのことか。確かにラクスは俺の婚約者だった。でも…
「いいんだ。元々、結婚統制で勝手に決めた事だし…ジャスティスを父上から貰い受けたときにはっきり婚約解消だ、と言われたしな。それに…俺にはカガリがいる」
「そっか、そうだよ!カガリ!!僕たちおあいこだね」
は?…おあいこ?
「おあいこって…」
「だって、妹だって分かった瞬間君が彼氏だなんて…複雑」
「な、何でそれでおあいこになるんだ…」
「だって唯一の血が繋がった妹だよ。それを親友に掻っ攫われる僕の身にもなってよ」
僕の身にもなってよって…どう見たって俺の方が…いや、よそう。
俺にはカガリがいてくれる。それで十分だ。
「そういえば、お前が弟だって言ってたぞ」
「え!?僕が!?…まぁ、カガリがそう言うならそれでもいいけどさ」
生まれた時代がもっと平和だったらって事を考えずにはいられない。
でもその度に、今じゃなかったら会えなかった人が沢山いて、結局『今でよかった』って思っている。
それに、なかなかハードな人生だけど、その合間の息抜きみたいな幸せも悪くない。
Fin
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