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□あの日のままで[後編]
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『大丈夫、想いは同じだ』
本当にそう感じていた。立場は違っても、夢や願いや目指す場所、たどり着く明日…全てがこの先もずっとキミと共にあると思っていたんだ。
あの日のままで
「お待たせ、アスラン」
待ち合わせ場所の時計台。朝の陽光が降り注ぐ中、キラが声をかけて来た。時間はピッタリ10時。
「いや、そんなに待ってないよ」
俺は久しい幼なじみの顔に綻んだ。
最後の戦争から1年弱。俺たちはそれぞれの思いを胸に今も戦っている。でも…俺の隣はカガリではなくなっていた。
「カガリは元気?」
キラの質問に思わず顔が強張る。分かってる…自然な質問だって事は。何故ならキラは一応はカガリの弟であるし、俺はそのカガリの補佐官を勤めているわけだし…
だから、カガリの話題が出る事は自然だ。
「ああ、元気だよ」
俺は精一杯の『自然』をアピールしたが、キラはごまかされなかったようで、小さなため息をこっそりとついているのを俺は見た。
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