The Secret Garden

□The Secret Garden-06
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 ちょうどその頃、セバスチャンは屋根裏部屋を破壊していた(当人は掃除のつもりだった)使用人への指導を終え、階下に向かっていた。

 黒い髪をさらさらとかき上げ、

「嗚呼…全く、アフタヌーンティーの準備があるというのに」

と呟きながら、手摺りに触れる。

 坊ちゃんに給仕する楽しい時間のために、心をこめて用意をしたい。そして一秒でも長く、お傍にいたい…。

 トントンと軽い足取りで二、三歩下りると、セバスチャンはしかし、ふと立ち止まって耳をそばだてた。

 ベルの音がしたのではない。が、何故か坊ちゃんに呼ばれたように思った。

「私に限って、気のせいなどということは」

 何かあったのかもしれない。セバスチャンは手袋の上から契約印を押さえ、急ぎ足でシエルのいる部屋へ向かった。





「セバ…セバスチャン…」

 緩急をつけて、求める自分に応じる。半分は応えられるが、半分は満たされない。

 お願い、………か…し…て…。

 明るい部屋の中で、自分だけが白い月の光にぼうっと照らされているかのようだった。夢中で快楽の階段を上りつめていくシエルは、セバスチャンの足音には気付かなかった。



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