BLUE in the nest

□BLUE in the nest -24
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 城館にはお決まりの黒い胸像が、暖炉の上でしかつめらしい顔をしていた。ヘザーの小枝と薔薇が華やかに飾られている。自分が寝かされている位置からはよく見えなかったが、宮殿でもファントムハイヴ邸でもないようだった。鏡の前に置かれた、白地に彩色けざやかな陶の時計はちょうど六時を差していた。

「…ここは…?…、身体が、重い…」
「お連れするために特別な香で眠って頂いたのですよ。ここは、グレイ様がお持ちの別荘だとか」

 何があったか、必死に思い出そうとした。小雨の降る中、ファントムハイヴ邸から戻った相棒を出迎えたはずだった。馬車から降りる際に支えた、手の軽さ、端正な横顔、雨の匂い。…陛下に事の顛末を報告し終わるまで、俺は部屋の外で待っていた…?グレイは…?

「グレイ伯爵は別室におられます」

 不安そうなフィップスをなだめるように耳元で囁くと、セバスチャンは白い服のボタンに手をかけた。金色のボタンをひとつひとつ外し、重い勲章のついた上着を脱がせる。手触りのよいネクタイを外し、はらりとナイトテーブルに置く。逞しい体躯が露になり、フィップスは再びぞくりとした。身をよじって逃れようとするが、うまく動けない。
 セバスチャンはくすりと笑い、水差しを取って一口飲むと、フィップスに口づけた。喉に柔らかい水がぬらぬらと一筋流れ込む。

「んっ…」
「ぷ…はっ…。フィップス様…、今回の件で当家がグレイ伯爵のご不興を買ってしまいましたので、」

 背中に手を回し、ドレスの紐を緩める。ばさりと音がして、豊かな乳房が目の前で白い光を揺らした。

「坊ちゃんに内緒で…ご奉仕するようにと」
「な、に…」

 フィップスの身体にはまだ、夢のけだるさが残っていた。セバスチャンを見ているうちに、それが徐々に一点に集まってくるのを感じた。これから何をされるのかおぼろげながらも理解し、熱をおさめようとするが、セバスチャンは勿論見逃さない。ズボンの上から、手袋をはめた手で押さえ付ける。

「ん…うっ…」

 ズボンと下着を一気に下ろし、ねっとりとした口の中に含む。フィップスのそれがセバスチャンの口の中で激しく脈打った。

「ん…く…ちゅっ……フィップス様…なかなか…ご立派なものをお持ちですね…」

 くわえたまま視線を上げると、フィップスが真っ赤な顔で歯を食いしばって耐えているのが見えた。

(エリート武官が、こんなにも他愛ない)

 グレイとは違い、普段禁欲的な生活をしている故だろうか。

 セバスチャンはドレスを脱ぎ捨てると、フィップスの大腿に手を乗せた。腹の上に跨がり、下腹部をフィップスの顔に向ける。

「…っ」



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