Gift(ありがとうございます!)
□小説
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〜St.Valentine 's Day〜
「シロ……これやる…」
唐突に突き出された箱、反射的に受け取って彼を見る。
「バロック…これって」
「…あー、別に深い意味とかはないから、ほら友チョコってやつだ。」
君の逸らされた顔が耳まで赤くなっていたのは見なかった事にするね。
「ありがとう、バロック。」
「………ッ///」
〜White Day〜
一ヶ月前、俺はバロックにチョコを貰った。
何を返したら良いのか、一ヶ月ずっと考えていたんだけど、残念ながら思い付かなくて今日を迎えてしまった。
「ねぇ、バロック。」
「んー?どうした…シロ…っ…うおッ!」
とりあえず、呼び止めたバロックに抱き付いてみた。
「…俺、バロックが好きなんだ。」
シャツに包まれた胸に顔を押し付けながら、呟くように言えば、頭の上に手が触れ、ゆっくり撫でられる。
「ん、知ってる。」
「……だから…今日、バレンタインのお返し…したかったんだけど…」
背中に回した手で無意識にバロックの上着をギュッと握り締める。
「別にいらないぞ。だっ…「…ぁ、…やっぱりいらない…よね、俺からなんて…」
アッサリと言われた言葉に血の気が引いていく。
身体を離して俯くと、膨れた気持ちが萎んでいくように涙が零れた。
「シロ?…ぉ、お前泣いてんのか?…おい、泣くなよ…目が赤くなったらマジで兎になっちまうぞ。」
顔を覗き込まれて、流れた涙をバロックの指が拭っていく。
「ったく、人の話は最後まで聞け。だいたい…お前が居るんだから、他に何もいらない。どうしても……って言うなら…今夜お前の時間空けとけよ、な?」
優しく囁くバロックの声が耳をくすぐり、もう一度抱き締められて背中をポンポンと叩かれ、俺はただ夢中で頭を縦に振った。
「……うん…うん、空けとく。」
End
涼様が再びバロレイを
書いて下さいました…!
もう、なんて可愛いの…
こうなりたい…(本音)
ありがとうございます!
(拍手からいただいたので、改行などこちらでさせていただきました…!)
頂いた日:2012.02.14&03.14