Gift(ありがとうございます!)

□『確信犯』(小説)
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ライブラリーの扉を開けると古書の香りが鼻腔を擽った。
仕事に必要な資料を探す為に訪れたそこは屋敷のはじにあるせいかしぃんと静まり返っていた。
不気味さを覚えつつも目的の資料を見付け、部屋を出ようとしたシエルは不意に視界に入った本の背表紙に口角を吊り上げた。
そこに書かれている文字は、


「悪魔の辞典」



悪魔の辞典というからには弱点などが載っているかもしれないと期待して腕を伸ばす。と、届かないー。
後少しという所で指先が届かずぴょんぴょんと跳ねてみる。
しかし、どうしても届かない。セバスチャンを呼べば解決するのだが企みも同時にばれてしまう。
ところが、陰口叩けばなんとやらで聞き慣れた声が楽しそうにシエルの名を呼んだ。


「お部屋にいらっしゃらないと思えばこんな所で…」


どれを取りたいのです?と聞きながら抱き上げられ、嫌だとも言えずシエルは目当ての本を抜き出した。


「ビアス、でございますね。まさか私の弱点が載っているなどとは思っていらっしゃりませんよねぇ」


まさか、と念押しまでされてシエルは赤くなって俯いた。


そのまさかだ。セバスチャンの弱点を知りたいと思っているとは言えず、黙り込んでいると不意に床に下ろされた。


「私の弱点は貴方ですよ、シエル」


下から顔を覗き込み、頬にキスを落とした。
シエルの頬がチェリーより赤くなったのは言うまでもない。





森野様のシチュエーションが好きなので、セバ×シエということ以外はフリーで!とリクエスト致しました(^-^)
ありがとうございます!

頂いた日:2009.10.26
 

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