The Secret Garden

□The Secret Garden-06
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 樺色、群青色、翡翠色の絨毯を窓からの光が白く切り取り、靴音をあたたかく受け取ってそっとどこかへ仕舞い込んだ。


―Sugar and spice
And all that's nice,
That's what …


 小説を手にして、ソファに腰かける。しっかりと重みのある表紙を白い指でつまむと、素敵な時間の扉が開かれるのを感じた。

 不意に、大きな物音と人の声がし、シエルは顔を上げた。

 フィニだな…。

 立ち上がって、窓に近付く。泥だらけの彼が芝生にぽっかりあいた穴の横で、何か喚いているのが見えた。

 …あんな穴、どうやってあけたんだ?

 視界の端に、長身の黒い影が現れる。両拳を握りしめ、猛然とフィニアンのほうへ歩いて行く。
 フィニアンの声が泣き声に近くなった。

 他人が叱られているのを眺めるのは、あまり気持ちのよいものではない。

 シエルは肩をすくめ、窓から離れようとした。が、セバスチャンが叫ぶ声が聞こえたため、振り返って再び窓の外を見た。

「おいおい」

 庭師が、自分であけた穴に落ちそうになったらしい。
 呆れながら、視線は無意識のうちにセバスチャンをとらえていた。



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