Rose branches

□Rose branches -27
2ページ/2ページ


「こうしているとき以外は…不満ですよ」

 そう言って、ナイティーの裾に手を入れ、大腿をなぞる。

「あっ、ん…っ、セバスチャン…ッ」
「ほら、おわかりになりますか?もうこんなに濡れて…」
「や、あっ、そこ…っ」

 指を一本出し入れしただけで、その場所からは透明な液体が滴っている。
 シエルを四つん這いにさせ、背中に頬擦りをして特別な声で囁く。

「もう一度、おねだりして下さい、坊ちゃん。先程、私の力を望まれたときのように」
「…っ、ああっ」
「その切ない声で…」
「そんなに…、んっ、激しく、するな…っ」
「良いのですか、このままで?」
「…っ、ああっ、はぁんっ…、あっ、セバスチャン、や…だめ…っ、はぁっ…、……れて…っ」

 シエルの求めに満足し、「イエス、マイロード」と囁く。先程からずっと我慢していたものをあらわにし、蒼白い臀部に押し付ける。

 二人分の重みが、枕に沈む。息遣いは絡み合い、溶け合って、冷たい朝の中で熱をつのらせていった。

「はぁ…あっ、あん、ああ、はっ…」

 奥のほうまで突かれるたびに、全身に快楽の音が響く。

「もう、首はすっかり平気なようですね」

 そう言いながら、短い髪を手で梳き、滑らかな首に舌を這わせる。
 セバスチャンの顔は当然、見えない。二度、三度、いつ襲ってくるかわからない刺激に耐えるため、シエルはぐっとシーツを掴んだ。

「冷たいですか」
「違っ…」
「くすぐったい?」
「んんっ…あっ」
「嗚呼、それとも、ゾクゾクする…でしょうか?」
「そんな…ああっ、耳、はっ…あぁっ、ん、い…っ」

 後ろから貫かれ、前に手を回され、知られてしまっている弱い場所を、強く擦り上げられる。

「っや、あん、っい…いく、いくっ…あああっ」

 幾度も腰を上下させた後で、シエルはセバスチャンの手の中で絶頂に達した。

「くっ…もう少し、よろしいですか…マイロード…」
「ふぁっ…!も、う、…っ」
「申し訳ありません、私のコレはまだ…」

 射精して力の抜けた身体を、セバスチャンの意志のままに揺さぶられる。
 やがてその動きが止まり、熱が密やかに溢れるのを感じた。シエルは枕に顔を押し付け、最後の喘ぎを漏らした。

「ん…ぁ…っ」
「嗚呼、今は、こちらを枕にして下さらないと」

 そう言って、シエルを腕の中に抱き寄せる。

「…我儘な、執事だ」

 少し高くなった太陽が、窓の向こうを照らしていた。ベッドの中は楽園の微熱に支配され、いつまでも二人を焦がしていた。

「…お前が寝違えても、僕は治してやれないぞ」
「構いませんよ…ずっとこうして、坊ちゃんだけを見ていますから」

 距離が0になっても、切なさが消えないとわかっていても。

「…恥ずかしいことを…」
「ほらまた、肩に力が」
「誰のせい…っ」
「おや?私のせいなのですか…?」

 アーリーモーニング・ティーよりも早く口付けて、羽根の枕より長く貴方の眠りを抱いていたい。

 その温もりをずっと、手の中に感じていたかった。



END


2012.03.06 Tues.
20万ヒット、本当にありがとうございました!
フォレ・ノワール 白躑躅
http://id33.fm-p.jp/322/tianus0904/



お持ち帰りいただける場合は、タイトルとここまでをコピー&ペーストして下さい。(URLはリンクにしていただかなくてOKです!)

枕がお気に入りなこと、1875年12月14日が火曜日だったこと…などから考えましたです><
20万ヒットの御礼にしては少しボリュームが軽かったかなと思いつつorz
読んで下さって、ありがとうございました…!


前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ