Rose branches
□Rose branches -08
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しっかりとくわえ込んでいるグレイの中から、自分のものを抜く。ピンク色の隙間から、湧水のように、白いものが流れた。
「んん…今日は、フィップスの、にかい…」
幸せそうな、呟き。
フィップスはそこかしこに白い液体のついた身体を綺麗にしてやると、下着だけを着けてベッドに入った。
「おやすみ、グレイ」
「んん…」
腕枕もしてもらえて、グレイはご機嫌だった。白い睫毛が、眠りにつく小花の花弁のように、並んで閉じていた。
「にゃあ…」
目を覚ますと、フィップスはまだ寝ていた。
が、夜中に一度、自分の知らないうちに起きたようである。
自分の寝床―本当は、いつもフィップスと一緒がいいのだが―として置かれている籠の中に、新しい布団が入れられていた。
持ち込んでいた白い下着と、フィップスが何かに作り直そうと別にしていた、着古したシャツは、畳んでナイトテーブルの上に置かれている。
「ああ…おはよう、腹が減ったか?」
籠を覗き込んでいたグレイは、ベッドへ戻ると、怒られるかもしれないと思い遠慮がちに言った。
「ボクの、籠…」
「ああ」
優しい手が自分を抱き寄せ、ポンポンと背中を叩く。
「すまない、寒かったんだろう?新しい寝巻も、必要だな…」
「…」
グレイはもぞもぞと布団の間に潜り込んだ。白い下着を着けたフィップスの腰に、そっと頬擦りをする。
(寒かったんじゃ、ない、にゃあ…)
フィップスの匂いを確かめて、もう一度、腕枕をねだる。グレイの体温はベッドの中を温もらせ、二人を穏やかな眠りに誘った。
END
<後書きがあります…!>