BLUE in the nest

□BLUE in the nest -04
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† † †

「もしもし、お疲れ様。…うん、うん…企画部が?…うん…わかった、先方に確認する。じゃあ」

 シエルはそのまま、革の手帳を見ながら、どこかへ電話をかけている。

「もしもし、シエル・ファントムハイヴです。…の件で…。ああ、そうですか…。…パフォーマンスの問題ですよね…普通に考えれば…はは、そうですね…向こうはそう言っている?わかりました…ええ、そのように…では」

 電話を切ると、お盆を持って立っているセバスチャンと目が合う。

「恥ずかしい」

 口を尖らせるシエルに、セバスチャンは思わず噴き出しそうになった。

「…っ、何が、ですか?」
「何か、お前が、僕を見ていると…恥ずかしい」

 セバスチャンはシエルの傍に歩み寄ると、そっと髪を撫で、額を合わせた。

「恋の、病では?」
「…薬は?」
「残念ながらございません、ベッドはご用意しておりますが」

 言葉の後半は、耳元で囁く。

「…結構。連れて行ってくれ」

 背の高いセバスチャンに抱き上げられると、それだけで日常が非日常に変わる。

「んっ…」

 繰り返される口付け。
 恋しい人の腕の中は、天国より天国に近い。


†END†


†後書きがあります†
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