BLUE in the nest
□BLUE in the nest -04
2ページ/3ページ
† † †
「もしもし、お疲れ様。…うん、うん…企画部が?…うん…わかった、先方に確認する。じゃあ」
シエルはそのまま、革の手帳を見ながら、どこかへ電話をかけている。
「もしもし、シエル・ファントムハイヴです。…の件で…。ああ、そうですか…。…パフォーマンスの問題ですよね…普通に考えれば…はは、そうですね…向こうはそう言っている?わかりました…ええ、そのように…では」
電話を切ると、お盆を持って立っているセバスチャンと目が合う。
「恥ずかしい」
口を尖らせるシエルに、セバスチャンは思わず噴き出しそうになった。
「…っ、何が、ですか?」
「何か、お前が、僕を見ていると…恥ずかしい」
セバスチャンはシエルの傍に歩み寄ると、そっと髪を撫で、額を合わせた。
「恋の、病では?」
「…薬は?」
「残念ながらございません、ベッドはご用意しておりますが」
言葉の後半は、耳元で囁く。
「…結構。連れて行ってくれ」
背の高いセバスチャンに抱き上げられると、それだけで日常が非日常に変わる。
「んっ…」
繰り返される口付け。
恋しい人の腕の中は、天国より天国に近い。
†END†
†後書きがあります†