BLUE in the nest
□BLUE in the nest -06
2ページ/5ページ
† † †
(長い爪!リコリス・スティックみたい)
リコリス・スティックの味を思い出すと、口の中でレモンの酸味と混ざりあった。こくんと可愛らしい喉が鳴る。
「大アルカナだけ、持ってきたの。占ってもいい?」
「お願いするよ。小生のこれからに、君がいればいいな」
アンダーテイカーは‘坊ちゃま’の頬をつつき、脇をくすぐりながら答えた。
「ふふっ…。じゃあ、始めるね」
薔薇色の手には少し大きすぎるカードが、テーブルの上でシャッフルされる。
「こっちが天で、こっちが地」
シエルが指差すと、アンダーテイカーはしっかりと頷いた。
小さな占い師は神妙な顔つきで、カードを三枚並べた。
「まず過去。何だと思う?」
「うーん、わからないよ」
「何でもいいから、言ってみて!」
「ヒッヒ、そうだなァ…『審判』かな。そんなカード、あったかな」
シエルはそうっとカードをめくり、驚いた顔をした。
「すごい!JUDGEMENTの正位置だ。…これはね、それまでの人生を神のもとにさらけ出し、裁きを受けようとしているんだ。復活っていう意味もあるんだよ」
テーブルの反対側では、ふむ、と黒い帽子が傾いた。
「現在は、何が出ると思う?」
「さァ…何かなぁ…」
痩せた指が組まれ、灰白色の髪がさらさらと揺れた。
「『死神』…とか」
果たせる哉、めくられたカードは]V.DEATHであった。
† † †