BLUE in the nest

□BLUE in the nest -06
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(長い爪!リコリス・スティックみたい)

 リコリス・スティックの味を思い出すと、口の中でレモンの酸味と混ざりあった。こくんと可愛らしい喉が鳴る。

「大アルカナだけ、持ってきたの。占ってもいい?」
「お願いするよ。小生のこれからに、君がいればいいな」

 アンダーテイカーは‘坊ちゃま’の頬をつつき、脇をくすぐりながら答えた。

「ふふっ…。じゃあ、始めるね」

 薔薇色の手には少し大きすぎるカードが、テーブルの上でシャッフルされる。

「こっちが天で、こっちが地」

 シエルが指差すと、アンダーテイカーはしっかりと頷いた。
 小さな占い師は神妙な顔つきで、カードを三枚並べた。

「まず過去。何だと思う?」
「うーん、わからないよ」
「何でもいいから、言ってみて!」
「ヒッヒ、そうだなァ…『審判』かな。そんなカード、あったかな」

 シエルはそうっとカードをめくり、驚いた顔をした。

「すごい!JUDGEMENTの正位置だ。…これはね、それまでの人生を神のもとにさらけ出し、裁きを受けようとしているんだ。復活っていう意味もあるんだよ」

 テーブルの反対側では、ふむ、と黒い帽子が傾いた。

「現在は、何が出ると思う?」
「さァ…何かなぁ…」

 痩せた指が組まれ、灰白色の髪がさらさらと揺れた。

「『死神』…とか」

 果たせる哉、めくられたカードは]V.DEATHであった。



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