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□実験結果は ゆまっちver
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AM 8:58
デジタル時計が画面に映し出す文字を眺めながら、私はため息を吐いた。
ゆまっち、基本早起きな筈なのになぁ。
私が、このゆまっちの部屋にいる理由は簡単。
久しぶりにデートする予定だったのに、8時、という集合時間に、彼は集合場所に来なかった。
メールしてみても、電話してみても、返事は無し。
もしかして嫌われちゃったかな、と悲しさ半分、また事件に巻き込まれてたりして、と心配半分で彼にマンションまで来てみたら。
まさかの寝坊。
疲れてたんだろうな、きっと。
そんな彼を起こすのも気が引けたが、久しぶりのデートだし!と思って起こしにかかったのだが。
名前を呼んでみても、体を軽く揺すってみても、全くの無反応。
どうしよう、もう諦めるかな。
大人しく帰ろうか、と思った時、私の記憶の中からある言葉が浮かび上がってきた。
携 帯 の メ ー ル 見 ち ゃ っ た ん だ け ど
以前、あるテレビ番組でやっていた。
100人中88人が飛び起きた、と。
これならゆまっちも!
と思い、早速チャレンジ。
ゆまっちの耳元に顔を寄せて、囁いてみる。
「ゆまっち、携帯のメール見ちゃったんだけど」
「マジッすか!!!!!」
大成功。
叫んで飛び起きたゆまっち。
「いや、実は見てないんだけどね」
「え、嘘っすか?」
「だって、ゆまっち起きてくれないんだもん!」
言われてから気づいたのか、ゆまっちの顔色が悪くなる。
「今日、デートの約束あったっすよね…?」
「そうだよ!やっと気付いた?」
勢い良く、ベッドの上で土下座したゆまっちは、姿勢をそのままに言葉を紡ぐ。
「すいません!完全に忘れてたっす!!!」
そこまでしなくても、と言いかけて止めた。
ゆまっちの雰囲気が、いつになく真剣だったから。
「しょうがないから、今回は許してあげるよ」
私の言葉を聞いたゆまっちは、勢いよく顔を上げて、ありがとうございます!!といつもの笑顔を見せた。
実験結果は
(大成功!!)
(でもゆまっちさ、なんであんなに焦ってたの?)(いや、だって俺の携帯は2次元で埋め尽くされてるっすから)(…だよねー)