迷探偵シンパチ

□第十八分の四話
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銀八と餡子は病院から出て、道路を歩いていた。

「銀八先生って、ジャンプ好きなんですね」
「男は歳をとっても少年の心を持ち続けるからな。
俺、ワンパーク未だに探してるし」
「あの海賊のアニメ、主にフィリピンで描かれてるらしいですね」
「そうなの?」
「テレビでやってました」
「アニメは原作を追い越さないように何度も同じ場面流して内容薄いからな〜」
「そうならない為にも、原作者さんは頑張ってほしいですよね」
「簡単のようで難しいことだけど、がむしゃらに働いて欲しいよな。アニメ打ち切りにならないように」

「男の人って、心は少年なのに大人になりたいんですよね?」
「大人になりたいわけじゃねーんだ。ただ、異性を気にして大人ぶっちまうんだよな。男ってそういうもんなんだよ」
「別に、さっきの会話が嫌ってわけじゃないけど、やっぱり…」
「女はそう思うだろうけど、保健の勉強も大事だからな。それをジャンプは教えてるんだ」
「ジャンプって凄いですね」
「全くだ」

銀八は腕を組んで、ウンウンと頭を縦に振った。

「茄子は山崎の見舞いしに病院行ったんだよな?」
「先生は、山崎君がどうして感電したのか知ってますか?」
「いや」
「山崎君は誰かに押されて、水槽に頭を入れられたそうです」
「マジかよ…クラスの誰かがやったんじゃねーだろうな」
「分かりません。
でも、酷いですよね。山崎君、死ぬところだったし」
「でも、当たっただけかも知れねーじゃん」
「わざとですよ。間違いありません」

「最近、事件多いよなぁ…」
「どうしてですかね?」

「……この前、時計の時間を変えてたの、茄子だろ?」

餡子は立ち止まる。
一歩先を歩いていた銀八も足を止めて振り向いた。

「知ってたんですか?」
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