迷探偵シンパチ

□第三話
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「エリザベス!あが!」

桂さんが木に激突していたので近寄る。
長髪は目立つからすぐに桂さんだということがわかって便利だ。

「大丈夫ですか?」
「あぁ」

手を差し出すと、桂さんはそれに捕まって起き上がった。

「この木が、エリザベスに見えてだな…」

確かに言われて見れば、木の下に積もった雪がエリザベスに見えないこともない。

「エリザベスって、ペットの…?」
「エリザベスも来ているはずなのだがな、なかなか交流できなくて捜している最中だ。では失礼する」

そう言って桂さんは滑って行ってしまった。
実際にエリザベスがいたとしても、雪山だから、エリザベスというよりもイエティに見えてしまいそうだけど。

「よし、僕も練習するか!」

僕もスキーで上手く滑れるようになりたい。
動くこともままならないけど、クラスの皆みたいにスイスイと滑れるようになりたい。
平日だからか客は少なく、殆ど貸し切り状態だった。

僕はカッコ悪いところを誰にも見せたくなくて、一人で練習することにした。
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