迷探偵シンパチ

□第十八分の四話
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「別に、咎めたりはしねーよ。俺もバカの触角ちぎったし」
「やっぱりハタ校長の触角が無くなったのは先生のせいだったんですね」
「あの日は週番最後の日でよ、学校に泊まらされてたわけ。なんか明かりがついてるなーと思って行ったら校長室でバカが寝てて『帰りに怪我した雀がいたから、看病するために泊まることにした』とか言ってたこと思い出した」
「校長先生ってああ見えて、けっこう優しいんですね」
「見た目も話し方も気持ち悪いけどな。
で、俺が一週間もバカのせいで泊まらされてるのに居るから、苛々してバカの触角をちぎったわけだ。別に、生えてくるからいいだろ」
「私もあれ、鬱陶しいと思ってました。いっそのこと生えなければいいのに」
「やっぱり?
話戻すけど、茄子はどうして時計を狂わせたりしたんだ?俺は遅刻にならなくてよかったんだけど」
「学校が早く終わってほしくて…3Zの時計は一時間ほど早くしといたんです」

「そんなに学校が嫌いか?」

餡子は首を横に振った。

「元の時間に直されても毎日変える予定でした。
…でも、山崎君が感電して休んでて、学校に行くのが楽しくなったんです。
山崎君が嫌いなわけではなくて、ただ、毎日別のことが起きるのが楽しいんです」
「元からうちのクラスはそうだったろ?」
「他のクラスよりは、ね。私にとっては普通なんですよ。
誰かを殴るのも殴られるのも、ツッコミもボケも、ペットも生徒も面白くないんです」

銀八は頭を掻いた。

「何か事件が起きてほしかったってことか?」
「はい」

「茄子は高杉を見たか?」
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