迷探偵シンパチ

□第十八分の四話
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「高杉君のことまで知ってるんですか」
「宿直だったからな。ガラスをバンバン割ってたし」
「パリーンパリーンでしたよ」
「効果音はどっちでもいいだろ。
尾崎豊になりたかったんだろうが、尾崎本人はそんなことしてなかったらしいから、何のために割ったのか不明だよな」
「校舎を壊したかっただけでしょうね。壁も高杉君の仲間が金属バッドで破壊してましたし。
銀八先生は、見て見ぬフリをしたってことですよね」
「茄子も高杉も俺の担当してるクラスの生徒だからな。怒られるのが目に見えてる」
「校長も気付かないのが凄いですね。いくら寝てるからって、起きるでしょ」
「何しろ、バカだからな。目覚める前に俺はトンズラした」
「賢い判断だと思います。
…それって全部、金曜日に起きた出来事なんですよね」
「俺が見た限りではな」

「金曜日に、先生と私と高杉君が同時に事件を起こしたなんて、凄い偶然。高杉君のお陰でグラウンドで体育しなくて良かったから、高杉君がした行動も意味はありましたね」

「だからってもう、何か事件を起こそうとするなよ」
「それは、保証できません。
高杉君と私って、似てますよね。普通な日々を楽しくしようと行動してるから」
「似てねーよ。高杉の笑い方は茄子が笑った時みたいに周囲を和ませたりしない」
「和ませたりなんてしてませんよ」
「穏やかな気持ちになってる奴もいる。俺もその中の一人だ。
それに…
高杉は学校を壊したいくらい、嫌いだからな。
茄子は銀魂高校が好きなんだろ?」
「はい」
「なら、全然違う」

「銀八先生は3年Z組が好きですか?」
「まぁ…そうだな。嫌いじゃねーよ」
「なら、私と同じですね!
送ってくれて、有難うございました」

着いたのは、餡子の家の前。

「じゃあな」
「また学校で!」

銀八はひらひらと手を振って生徒宅を後にした。
3Zの生徒みんなの顔を思い浮かべながら。

「青春か…

いっけね。早く帰らねーと。2時から始まる昼ドラ湯けむり殺人事件〜女湯で明かされる美人の素顔〜録画し忘れた!」
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