螺旋の運命

□第一章
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私立〈群青華学院〉 

「おはよう」
「おはよう」
一緒に登校してくる生徒や、校門の前で鉢合わせて挨拶を交わす生徒達。
まさしく青春、と形容したくなるような光景が学院前に広がっている。

しかし、そんな中、ただ一人だけ無言で何も言わずに登校している人物がいた。


なぜだか生まれた時からの銀髪の髪に、色素の薄い瞳、引き締まった痩身。
嫌でも目立つ風貌の彼は、周りの奇異の視線を全て流しながら退屈そうな表情で校門をくぐった。

と、そんな彼に、一人の教師が話しかけた。


「おはよう、羅神」
「…どーも」


一応、立ち止まり小さく低頭する烈。
それに、男は軽く首を傾げた。

「どうした、羅神。
やけにテンション低いな。気分でも悪いのか?」
そうきく教師は、烈の担任の加太悠乃だ。

「別に。眠いだけ」
「そうか。それならいいんだけど。
まあ授業中に寝るなよ。
じゃあ、また後でな」

そう笑いながら手を振って、悠乃は生徒達とおはようと挨拶を交わしながら中に入っていった。
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