螺旋の運命
□第一章
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黙読中も同じページをぼーっと眺める烈に、悠乃が小さな声で訊いた。
「羅神、大丈夫か?
あんまり体調が優れないみたいだけど…」
「…え?
あ、ああ。
大したことはない」
その言い方に、悠乃が眉をひそめた。
「大したことはないって…。
どこか悪いのか?」
「いや、どこも?」
全く表情を変えずに烈は言った。
「なら、いいんだ。
けど、体調が悪くなったらいってくれよ。
オレは羅神の担任…
つまり、学校では父親的存在だから」
「分かった」
烈が頷くと同時に、チャイムが鳴った。
「はい、黙読おわり!次の授業の用意しておけよ!!」
そう大声で言うと、悠乃は出ていった。