破滅の子守唄
□第一章
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一歩でも間違うと迷いそうな深い森。
そこに、少年が一人で座り込んでいた。
年齢は十代後半だろう。
腰に立派な装飾の施された剣を帯びている。
ここまでの外見では特に変わったところはない。
少年の歳で剣士になり旅に出る者などそこらへんにごろごろいるのだ。
少年の外見で変わっているのは、銀色の髪と漆黒の瞳。
更に、その瞳には憂いと哀しみがちらちらと見え隠れしている。
明らかに普通の少年剣士とは違う雰囲気を持っていた。
と、不意に
「きゃーーーっ!!!!」
叫び声が聞こえた。