破滅の子守唄

□第二章
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「…あっ!」
突然、少女が声を上げた。

「…なんだ?」
「あの場にいた女の子、放って来てしまいました。
大丈夫でしょうか…」少女の言葉に、少年がため息まじりに言った。

「あの子なら、あなたが助けた直後に逃げた。
たぶん、今頃は街に着いている頃だろうな」「よかった。それなら心配はいりませんね」笑顔で頷く。

「そういえば、名前、聞いてませんでしたね。なんて言うんですか?私はシーア・マハルザです」

名乗る少女…シーアを少年は横目でみた。

「名前?
…アー…いや、レアネスだ」
「レアネス…。いい名前ですね。でも、先に言おうとした―」
「さぁ、街に着いたぞ。何か買うものはないのか?」
レアネスは、シーアの言葉を遮って訊いた。
「買うものですか?そうですね…。
食べるものがきれているから、それを買います」
遮られたのを不審に思いながら、シーアは答えた。
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