破滅の子守唄

□第五章
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しばらく沈黙が続いた。

そして、その沈黙を破ったのは
「…勿体ぶらずに教えろ、悪魔」
エレオスだった。

「ホントに空気の読めないエルフですねぇ…。
雰囲気が台無しじゃないですか。
まあ、いいですけど。さあ、アーシャ君、僕の名前、聞きますか?」

訊かれて、レアネスはしばらく沈黙していたが、すぐに頷いた。

「ああ、聞く」

それを聞いて、悪魔は満足気に頷くと、口を開いた。

「僕の名前は、《イグニス》と言います。
地獄では、《呪われた名前》と呼ばれていました」
「はぁ?
…呪われた名前?
俺が言われていたみたいな感じでか?」
「まぁ、言われ方はそうでしたけど、理由は違います。
《イグニス》という名前は、聖なる名前という伝説が有るのをご存じですか?」
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