ドラゴンクエストV

□王家の墓場(全11ページ)
1ページ/11ページ

アッサラームに着いた。

砂埃の舞う、砂漠に近い町だ。


「おお〜!ワタシのトモダチ〜!」


いきなり露店の商人に話し掛けられた。


「…?」

「高級薬草、特別にオマケして40Gにするよ〜♪」

「薬草に高級もへったくれもありません。さあさあ、行きますよ」


商人はモロゾフさんに見事にスルーされた。


「この町は治安が悪いんだ」

「エリシア…それ、先に言ってほしかった…」

「悪かったよ。あそこの店なら大丈夫だからさ、そろそろ装備を整えないかい?砂漠には強力な魔物がいるからさ」

「そうですな。見てみましょう」


私達はエリシアの案内で、武器防具の店を覗いた。

モロゾフさんが見ても法外な値段は付けられていない…とのことなので、私は新しい武具を購入した。

私は鋼の剣と鎖帷子を。

モロゾフさんは鉄兜を。

エリシアは鉄の槍。

この町の薬草は法外な値段で売られているから、補充が不可能だった。

宿屋で休むことになったんだけど…。


「少し出掛けて来ます」


夜更け、珍しくモロゾフさんがお出かけした。


「ひょっとして…」


エリシアはクスクス笑っている。


「どうかしたの?」

「ふふふ
…どんな顔して戻って来るのか楽しみだ」

「分からないな〜。私はもう休むけど…」

「アタシはもう少し起きてるよ。先に休んでて」

「うん」


私が休んでる間に、何があったのか…。

翌日、話を聞くと…。


「モロゾフさんは、ぱふぱふ屋に行ったんだ」

「ぱふぱふ?」

「良かったろう?ぱふぱふ娘の親父のぱふぱふ」


エリシアは涙を拭きながら笑っている。


「確かに、肩凝りは治りました。そう思うことにしておきますよ」


モロゾフさんは元気がないみたい。

ぱふぱふって何だろう。

ラディルに会ったら訊いてみよっと。


「さあ、イシスに向かうよ。アタシの親父に、ピラミッドの謎解きのキーワードを訊いてみるんだ」

「それはいいですね」

「張り切って行こ〜う」


私達はアッサラームを西へ歩いた。

エリシアの話によると、イシスは西の砂漠を南西に向かえばいいとのことだ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ