ドラゴンクエストV
□王家の墓場(全11ページ)
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アッサラームに着いた。
砂埃の舞う、砂漠に近い町だ。
「おお〜!ワタシのトモダチ〜!」
いきなり露店の商人に話し掛けられた。
「…?」
「高級薬草、特別にオマケして40Gにするよ〜♪」
「薬草に高級もへったくれもありません。さあさあ、行きますよ」
商人はモロゾフさんに見事にスルーされた。
「この町は治安が悪いんだ」
「エリシア…それ、先に言ってほしかった…」
「悪かったよ。あそこの店なら大丈夫だからさ、そろそろ装備を整えないかい?砂漠には強力な魔物がいるからさ」
「そうですな。見てみましょう」
私達はエリシアの案内で、武器防具の店を覗いた。
モロゾフさんが見ても法外な値段は付けられていない…とのことなので、私は新しい武具を購入した。
私は鋼の剣と鎖帷子を。
モロゾフさんは鉄兜を。
エリシアは鉄の槍。
この町の薬草は法外な値段で売られているから、補充が不可能だった。
宿屋で休むことになったんだけど…。
「少し出掛けて来ます」
夜更け、珍しくモロゾフさんがお出かけした。
「ひょっとして…」
エリシアはクスクス笑っている。
「どうかしたの?」
「ふふふ
…どんな顔して戻って来るのか楽しみだ」
「分からないな〜。私はもう休むけど…」
「アタシはもう少し起きてるよ。先に休んでて」
「うん」
私が休んでる間に、何があったのか…。
翌日、話を聞くと…。
「モロゾフさんは、ぱふぱふ屋に行ったんだ」
「ぱふぱふ?」
「良かったろう?ぱふぱふ娘の親父のぱふぱふ」
エリシアは涙を拭きながら笑っている。
「確かに、肩凝りは治りました。そう思うことにしておきますよ」
モロゾフさんは元気がないみたい。
ぱふぱふって何だろう。
ラディルに会ったら訊いてみよっと。
「さあ、イシスに向かうよ。アタシの親父に、ピラミッドの謎解きのキーワードを訊いてみるんだ」
「それはいいですね」
「張り切って行こ〜う」
私達はアッサラームを西へ歩いた。
エリシアの話によると、イシスは西の砂漠を南西に向かえばいいとのことだ。