ドラゴンクエストV
□勇者と賢者(全13ページ)
1ページ/13ページ
バハラタ北の洞窟に着いた。
中は同じような道が続いている。
魔物の数が少なかった。
ここに住み着いた人拐いが片付けたんだね。
そこいらに魔物の死骸が転がっている。
同じような道が続く。
どこまで続くのかな…。
「おお!ようやく人に会えた!」
ボロボロの鎧を着た、汚い男の人と出会した。
「人拐いを見失ってしまって、何日も迷っていてな…。突き当たりの暗闇から扉を開ける音がしたんだが…そんな場所はないし…」
「暗闇…」
私達は、南の方角を見た。
照明が無く、真っ暗な闇だが…。
「道はあるみたいだね」
エリシアが闇へと踏み出した。
「危ないよ…。もし、落とし穴があったりしたら…」
「ふむ…。松明が入り用だったようですな…」
「行ってみるしかないよ。ほら」
エリシアに促され、私とモロゾフさんは恐る恐る闇へと歩き出した。
真っ暗で何も見えない…。
しばらく歩くと、両手を突き出しながら先頭を歩いていたエリシアが止まった。
「何かあるな。扉かな」
「あ、本当だ。う〜ん…」
扉は押しても引いてもビクともしない。
「メラ」
私は呪文を唱え、火の玉を放った。
扉には鍵穴が付いているみたい。
魔法の鍵を使った。
「あ」
カチャ。
ドゥン…。
扉は開いた。
恐る恐る先を進んだ。
壁に突き当たった。
そこから西へ歩いてみたけど、壁に突き当たった。
「東へ行ってみましょう」
モロゾフさんの案で、反対方向の東へと歩いてみた。
ずっと歩いて行くと、下り階段が。
「一生迷わなくて良かったね」
「ああ。あの男、これからどうするんだろうね」
「無事に出口に辿り着くことを祈りましょう」
私達は、そんな他人事を言いながら階段を下りた。