ドラゴンクエストV

□勇者と賢者(全13ページ)
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バハラタ北の洞窟に着いた。

中は同じような道が続いている。

魔物の数が少なかった。

ここに住み着いた人拐いが片付けたんだね。

そこいらに魔物の死骸が転がっている。

同じような道が続く。

どこまで続くのかな…。


「おお!ようやく人に会えた!」


ボロボロの鎧を着た、汚い男の人と出会した。


「人拐いを見失ってしまって、何日も迷っていてな…。突き当たりの暗闇から扉を開ける音がしたんだが…そんな場所はないし…」

「暗闇…」


私達は、南の方角を見た。

照明が無く、真っ暗な闇だが…。


「道はあるみたいだね」


エリシアが闇へと踏み出した。


「危ないよ…。もし、落とし穴があったりしたら…」

「ふむ…。松明が入り用だったようですな…」

「行ってみるしかないよ。ほら」


エリシアに促され、私とモロゾフさんは恐る恐る闇へと歩き出した。

真っ暗で何も見えない…。

しばらく歩くと、両手を突き出しながら先頭を歩いていたエリシアが止まった。


「何かあるな。扉かな」

「あ、本当だ。う〜ん…」


扉は押しても引いてもビクともしない。


「メラ」


私は呪文を唱え、火の玉を放った。


扉には鍵穴が付いているみたい。

魔法の鍵を使った。


「あ」


カチャ。

ドゥン…。

扉は開いた。

恐る恐る先を進んだ。

壁に突き当たった。

そこから西へ歩いてみたけど、壁に突き当たった。


「東へ行ってみましょう」


モロゾフさんの案で、反対方向の東へと歩いてみた。

ずっと歩いて行くと、下り階段が。


「一生迷わなくて良かったね」

「ああ。あの男、これからどうするんだろうね」

「無事に出口に辿り着くことを祈りましょう」


私達は、そんな他人事を言いながら階段を下りた。
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