ドラゴンクエストV

□試練(全23ページ)
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船旅は順調で、魔物はラディルの呪文によって殲滅された。


「イオ!」


ラディルが呪文を唱えた。

小さな爆発が、しびれくらげの群れを倒した。

私なんか、することがほとんどないと言ってもいい。


「ラディル!MPは、まだ余裕?」

「ああ!まだまだ大丈夫だ!」

「あっちのマーマンを倒して来るから、そっちはお願い!」

「分かった!スカラ!」


ラディルの呪文のお陰で、私の守備力が格段にはね上がったみたい。


「マホトーン!」


モロゾフさんが呪文で、マーマンのルカナンを封じてくれた。

私は安心してマーマンと戦えた。

マーマンを倒して振り返ると、しびれくらげの群れと戦っていたラディルの背後に、しびれくらげの群れが新たに現れた!

私は、とっさに鋼の剣をしびれくらげの群れに突き出した。


「ラリホー!」

「!?」


私は呪文を唱えた。

次々と、しびれくらげの群れがポトポトと落ちた。

上手く眠らせたみたい。


「ナイスだコーマ!イオ!!」


ラディルの呪文によって、魔物は全滅した。


「危なかったですな」

「本当に…。コーマ、凄いな!昔はメラさえ使えなかったのに!」

「恐れ入
ったか!なんてね」


私達の活躍のお陰で、船員さん達が順調に船を進めてくれる。

ランシールに着いたのは、夜になってからだった。


「ここがランシール…。聖なる力が働いているようだな…」


ラディルが遠くにある神殿を眺め、言った。


「薬草を補充しなければ…」

「私は神殿に行きたいな…」

「それじゃあ、俺は宿屋の手配をします。その後は装備屋を覗いてますよ」

「皆が宿屋に戻ったら食事にしよっか」


私達は分かれた。

私は神殿に行ってみたけど、扉には鍵がかけられて入れなかった。

魔法の鍵でも開かない扉を諦め、情報収集することにした。

扉の側にいた戦士に声を掛けてみよう。


「こんばんは」

「こんばんは。あなたも旅人?」

「はい。神殿に入ろうとしたんですけど、鍵がかかってて…」

「鍵かぁ。私、こんなことを聞いたの。とあるツボを手に入れると、とても珍しい鍵が手に入るって」

「とあるツボ?」

「ツボに鍵が入ってるのかしらね。よく分からないわよね」

「そうですね。情報ありがとうございます。良い旅を」

「いいえ。良い旅を」


私は町を見て廻ることにした。

町の人々は落ち着いてて、神
殿があるからかゴミ一つ落ちていない、神聖な町だ。

道具屋からモロゾフさんが出て来た。


「コーマ殿。神殿はどうでしたか?」

「鍵がかけられて入れませんでした」

「そうですか…。こちらも薬草の補充が叶いませんでした」

「どうして?お金が足りなかったんですか?」

「信じられないことに、売ってなかったのです。代わりに…」


モロゾフさんは何やら草を取り出した。


「なにそれ」

「“消え去り草”というアイテムらしいです。煎じて飲むと、姿を消すことが出来るのだとか」

「へぇ…。何だか、物騒なアイテムですね」

「何故ですか?」

「だって…消え去り草って名前で、姿を消すことが出来るんでしょう?お風呂を覗かれたりしたらたまりませんよ」

「!!!なるほど…そういう使い方があるのですな…」

「気が付かなかったんですか?モロゾフさんが?」

「いやはや…全く、あなたには恐れ入る。そうですか…」


モロゾフさんは笑っている。

どうしたのかな。


「私は先に宿屋へ戻ってますね」

「は〜い」


私は再び町を見て廻ることにした。

そういえば、このマジカルスカート…ピラミッドで手に入れて、それからずっ
と装備している。

そろそろ新しい装備も欲しいし、お店を見てみよう。
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