ドラゴンクエストV

□財宝探検(全11ページ)
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ぐっすり眠っていた深夜。









『…コーマ。聞こえる?』

「ラディル…!」

『ごめん…。どうもMPを使い切ったみたいなんだ。大丈夫だったか?』


モロゾフさんの言ってた通りだ。


「ラディルが教えてくれた、ニフラムのお陰で何とか乗り切ったよ」

『そう…良かった…』

「あのね…仲間を二人だけ加えてるんだけどね…」

『かすかに気配を感じたよ』

「僧侶のモロゾフさんが凄く物知りなんだけど…ラディルが私と、こうして話していることが有り得ない技なんだって言ってた」

『だろうね。俺も有り得ないと思っている。しかも、コーマに対してしか発揮しないんだ。おかしいね』

「危険を知らせてくれた時、モロゾフさんとエリシアにも聞こえたのに。おかしいね」

『あの時は必死だったから…MPを余分に使ったんだと思う。だから聞こえたんだろう』

「あんまり無茶しないでね…?」

『ああ。MPが切れたらシャレにならないからな…気を付けるよ』

「まだ嫌がらせ…続いてる?」

『いや、今日はお返しをした。マホトーンを喰らわされたんで、ガルーダとスカイドラゴンの真ん前でマヌーサを唱えてやった。奴ら慌てふためいてたよ』


「奴ら…複数?」

『そ。でも、ちゃんと助けてくれる人もいるよ。そういうことも修行のうちなんだ』

「そっか。ちょっと安心した」

『ロマリアの宿屋にいるみたいだね』

「そんなことまで分かっちゃうんだ」

『先月までロマリアに住んでたからね。行ったことのある場所なら、気配で分かるよ』

「もう立派な賢者だね」

『まだまだこれからさ。ビックリするくらい呪文を習得しておくから、楽しみにしてて』

「うん。私も頑張るから、ラディルも頑張ってね。無茶をしない程度に…ね」

『コーマは昔と変わらず優しいな…。ああ、頑張ろう』









…俺は辺りを見回した。

魔物が襲って来ない。

だから、修行にならなかった。


「ラディル。魔物がお前に恐れをなして下の階に逃げてるぞ」

「下の階か…面倒だな。そいつらはあんたに譲るから、メタルスライムが出たら教えてくれ」

「了解。しっかしまあ…経験値を稼ぐ修行だってのは正しいが、メタルスライムを倒しまくるお前って…案外物臭なんだな」

「ちょっと急いでるものでな。さてと、そろそろメタル狩りに行くか」


俺は理力の杖を持って、いつもの場所へ行く。

メタルスライ
ムがよく現れる場所があるんだ。

今日もいたいた…一匹。

俺の経験値の肥やしが一匹…。

銀色に輝くスライム…。


「会心の一撃ッ!!!」

「ピキーッ!!!」


メタルスライムは息絶えた。


「マホカンタ!」


俺は振り向いた。

また嫌がらせをしてくる奴らだ。


「これで呪文は怖くないぜ」

「今日こそは死ね」


魔法使いと僧侶の兄弟…。

正直、面倒臭いんだよな。


「マホカンタか。いつもいつも俺の修行の為に、どうもありがとう」


俺は皮肉を言ってやった。


「へっ。さあ、どうする?」

「ふふふ…。ザキ!」

「!」


持っていた命の石が砕け散った!

あっぶねぇ…。


「ピオリム!」

「メダパニ!」

「マホトーン!」


危ない危ない…。

メダパニとマホトーンとは…マジで俺を殺す気だな。

幸い、呪文にかかっていない。

俺はまだレベルが低いから、あらゆる呪文を跳ね返すマホカンタの呪文を、まだ使えないんだ…。

だから、ピオリムで素早さを上げて…。

理力の杖で、こいつらをのしてやった。

理力の杖は、MPを物理攻撃力に転換する魔法の杖。

俺のMPなら、破壊的な物理攻
撃力に転換出来る。


「理力の杖なんて…何処で…」

「17歳の誕生日に、叔母に買ってもらったんだ。スネかじりで悪いな」

「…ぐふっ」

「こう邪魔されたんじゃ、修行にならない…。あ!」


またまたメタルスライム発見!

こうして、俺はコーマの為に頑張っている訳なんだ〜。

あ!

またまたまたメタルスライム!
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