ドラゴンクエストV

□勇者と賢者(全13ページ)
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階段を下りてすぐ、見たことのある奴らと出会した。


「何だ?お前らは」

「俺達の子分になりたいのか?」


どっかで見たことあるんだけどな…。

思い出せない。


「あんた達が人拐いね?」

「だったら何だ」

「人拐いなんて許せない。覚悟ッ!!!」


私達は先制攻撃をかけた。


「ルカニ!」

「でぇえいッ!!!」

「とお」


モロゾフさんの呪文で守備力を下げて、私の会心の一撃がヒットし、エリシアが投げた小石が当たって…。

一人、また一人と倒していった。

奴らから受けたダメージなんて、蚊に刺された方が痛いくらいだ。


「ち…畜生…」


奴らは動かなくなった。


「誰か…誰かいるんですか?」


奥の二股に分かれた通路から男性の声がした。

私とエリシア、モロゾフさんと二手に分かれた。

急いで向かうと、私とエリシアが向かった右の通路に男性がいた。

男性は鉄格子の向こう側だ…。


「こっちに女性が牢屋に閉じ込められています!」


反対側の通路の奥で、モロゾフさんが叫んだ。


「あなたは…グプタさん!」

「あなた方は…。ああ…そんなことより、奥にレバーがあるでしょう!?」
確かに、大きなレバーがあった。


「お願いします!そのレバーを!」


私は大きなレバーを倒した。

ガァン…。

鉄格子の扉が開いた。


「タニア!!!」

「グプタ!!!」


牢屋に閉じ込められていた男女は駆け寄り、手を取り合った。


「私達、助かったのね!」

「ああ!旅の方、ありがとうございました!後でバハラタの町に寄って下さいね!」


すると…。

まだ紹介もしていないのに、タニアが私に微笑んで言ったの。


「ありがとう、勇者様」

「!」


私は心底、驚いた。

どうして私を勇者と呼んだの?


「さあ、帰ろう!タニア」

「そうね、グプタ」


二人は手を取り合って去って行った。


「私を勇者って…」

「ハハハ。世界中の皆が、あんたを認め始めた証拠さ」

「我々も引き上げましょう」


その時。


「キャーッ!!!」


タニアの悲鳴だ!

私達は慌ててグプタとタニアを追いかけた。
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