ドラゴンクエストV

□揺るぎない思い(全20ページ)
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二階の一室に荷物を降ろした。

ベッドはふかふかで清潔だった。

ボルネオさんが掃除してたのかな。


「ラディル〜。こっち来て〜」

「分かった〜」


私は部屋の中を見回した。

可愛らしい小物が棚にぎっしりと並び、クローゼットには質素な衣服があった。

ふわっ…と森の匂いが漂う。


「ラディルはいつも森の匂いがするね」

「コーマはいつも太陽の匂いがする。香水?」

「何も付けてないよ…。実は、汗臭いって意味じゃないの?」

「いやいや…。俺が森の匂いも分からない」

「香水じゃないの?」

「何も付けていない。ああ、そうか」


ラディルは手を叩いた。

私は振り向き、首を傾げた。


「男女がお互い良い匂いを嗅ぎ取れたなら、その間に産まれる子供は様々な病に強くなる。僧侶やってた時に、そんな話を聞いたことがある」

「へぇ…。本当に、何でも知ってるね」

「たまたまさ。ほら、おいでよ」


ラディルは手を差し出したけど…いいのかな…。


「エリシアとモロゾフさんが働いてる時に…」

「何言ってんだよ。あの人達、コーマが地球のへそで頑張っている間、何をやってたか知ってるか?」

「え…?エリシアはダ
ーマ神殿で修行…モロゾフさんは調べ物…」

「あの二人はデキてたんだよ。恐らく、俺と初顔合わせの前から愛し合ってたんだよ」

「……………は?」

「エリシアから聞いた。間違いない」

「あの二人が???」


うっそぉ!!!!!!


「…も…物凄い歳の差…」

「だから、あの二人には遠慮する必要ないんだって」

「………」


そうだったんだ…。

だから、エリシアもモロゾフさんも…私達に以上を勧めたんだ…。


「………」

「…やっぱり、怖い?」

「…多分…大丈夫…」


私はラディルの顔を見上げ、飛び付いた。

背中に腕を回してしがみつく。


「…大丈夫。俺になら勇者の仮面を外しても大丈夫だから」

「………うぅ………」


涙が出た…。

悲しい訳じゃない。


「今だけ、しんどいこと…忘れさせてあげるから。力を抜いて」


…以前と違う…。

体に触られる度に…声が出る。

私が声を出すと、この人の体が熱くなっていくようだ。

下半身に触れられて、たまらず仰け反った。


「…これなら大丈夫かな…」


臀部に激痛が走った。


「いっ…痛いッ!!!な…何…!!?」


私は上半身を起こして
、その箇所を見た。


「はいってる…?」

「そうだよ…。力を抜いて…楽にして…」


力を抜いて…。

楽に…。

動かれる度に感じていた激痛が、次第になくなっていって快感に変わった。

信じられない。

あれだけ痛かったのが嘘みたい。

ビクンッ…ビクンッ…って体が痙攣した。

…初めての感覚…。

熱くて白い…この人の体液が全身に絡み付いた。

また動いたみたい。

いいよ…したいようにして…。

あなたは何だって受け止めてくれるから、私も受け止めなきゃ…。
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