□嫉妬
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太陽の陽がガンガンと照らす真夏。もはやコンクリートさえ光って見える。反射する光が眩しい。火傷しそうだ。

しかしそれ以上に、プールの水から反射する光は眩しかった。


「…なぁエイト、何時まで待たせる気だよ」

その日照りの中、ハジメはエイトのプール掃除を待たされていた。
今日一緒に帰る約束をして、エイトは「直ぐ終わるよ」と言ったにも関わらず一向に終わらない。

お互い、感覚が違った様だ。


エイトはハジメの呼び掛けにも気付かずもくもくとプール掃除を為ている。ハジメの声なんて耳に入っていない。

しかしそんなエイトをつい待ってしまう。散々待った後一緒に帰る時の言い表しにくい新鮮さ、何かが中で騒ぐ妙な慌ただしさ。


でも今日の日照りは、酷くハジメを落ち着き無くした。


「早く止めて帰ろうぜ」


エイトのプール掃除は依頼では無く故意的な物にすぎない。


聞こえていない。

「なあ、」

途端に日照りのダメージが頭に集中した。

プールに集中して、俺の声何て…。


「なぁったら、エイト!」


ようやく自分の名前を呼ばれてはっとするエイト。ハジメの方を向き、目を細める。


「もう少しなんだ」

妙にむしゃくしゃする気持ちを抑えつつもハジメはエイトの方に向かう。その瞬間、

「あ!」

「んだよ、急に大声だしやがって」

「ハジメちゃん、靴ドロだらけ…」


ハジメの頭の中の何かが切れた。
お前の空間に俺が割込んじゃ行けないとでも云うのか、と。


「…ばっかやろー!てめー殺されてぇのかよっ」


いきなりハジメはエイトに全身全力でとびかかった。
エイトもかなり驚いた様子。
しかし反動でハジメも自分を止める事も出来ず、エイトごとハジメはプールの中に落ちた。
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